関西大学ラグビーAリーグ第5節対京産大戦。同志社は昨年敗れた京産大に雪辱を果たし、40-24の快勝でリーグ戦4連勝を飾った。なかでも2トライの活躍に加え、ハードワークが光ったFL秦啓祐(心理3)がMan of the matchに選ばれた。
開幕戦からここまで全試合スタメン出場を続ける秦。開幕戦は森山(商4)の怪我によりLOで起用され、第2節の関大戦以降は怪我で戦線離脱した末永に代わってFLでの出場が続く。NO8を本職としつつFL、LOでの起用にも対応する高い戦術理解力と抜群の安定感を兼ね備える。また、オフェンスでもディフェンスでもボールのあるところに常に働きかけ、豊富な運動量で泥臭く攻守にハードワーク。持ち味を体現して今節京産大戦でも秦啓祐の健在ぶりをしっかりと示した。

泥臭くボールを前へ運ぶ
前半7分に先制した同志社だったが、その後はペナルティやパスミスなど攻撃の歯車がかみ合わず得点を奪えない。すると京産大のPGやラインアウトモールからのトライなどあっさりと逆転を許してしまう。5点ビハインドで迎えた前半25分、CTB永富晨(商1)のラインブレイクからチャンスメイクすると、最後はSO渡邉(社4)からのパスをFL秦がインゴールに持ち込みトライ(10-10)。開幕戦から5試合連続スタメン出場している秦の今季初得点は貴重な同点トライとなった。このプレーをきっかけに流れをつかんだ同志社は追加点をあげ京産大を突き放す。

相手DFラインを突破する秦
試合では常にボールに絡むプレーでチャンスを演出。ピンチの場面では相手の攻撃の芽をしっかりと摘むなど縦横無尽にグラウンドを駆け回り、攻守にハードワークをみせた。なかでも、秦のハードワークを象徴する場面がみられたのは後半ロスタイム。「狙っていた」と鋭い飛び出しで相手パスをインターセプトすると約50メートルを独走し、試合を決定づけるダメ押しトライ。80分間走り続け体力的に苦しい時間帯でのこのプレーはチームを盛り立てた。「取った後に追いつかれるかなと思ったので、取れるとは思っていなかった。トライを取れてうれしい」と笑顔で振り返った。

試合終了間際にも彼のハードワークは光った
この試合で2トライの活躍とハードワークが光り、Man of the matchを受賞した秦は、「素直にうれしいし、これぐらいの活躍が普通だと言われるように、もっと活躍できるように、ハードワークのレベルを上げていきたい」と持ち前のハードワークにさらなる磨きをかける。だが、ここはあくまで通過点に過ぎない。「こんなところで満足しているチームではないし、もっと上を目指したい」。目指すべき到達点は、関西リーグ優勝、そして大学日本一。“覚悟”を固めたハードワーカーはグラウンドを走り続ける。(石見暢浩)

試合終盤には50メートル独走トライを決めた
○プロフィール
秦啓祐 (しん けいすけ)
心理学部3年
小倉高校出身
182㌢/90㌔