8月29日に白梅スポーツクラブ(京都府)にて行われた第42回関西学生アーチェリーフィールド選手権大会。同志社からは一昨年優勝、去年第3位の成績を持つ大隅(社3)が唯一出場し、見事2度目の優勝をつかみ取った。
フィールドアーチェリーは、平地で行われるターゲットとは異なり山の中で行われる。山の様々な場所にポストが設置されており、足場が悪い場所で狙わなければいけないポストも存在する。また、角度や距離もランダムであるため細かい調整力が求められる。さらに今年は予選から雨が降っていたため例年よりもコンディションが悪い中でのスタートだった。
「フィールドは結構好き」と話す大隅。前日に行われた予選では2位に約20点の大差をつけて決勝進出を決めた。セミファイナルではポストごとに異なる細かい角度や距離をうまく調整した。順調に得点を重ね、去年果たせなかったゴールドメダルマッチに進んだ。

ゴールドメダルマッチに挑む大隅
優勝争いの相手は、昨年のセミファイナルで敗北を喫した原田(阪大)だった。「高校から一緒に戦ってきた同級生。彼と戦って勝つのが一年の中で目標だった」。大隅は昨年のこの時期、スランプに陥っていたこともあり、思うようなプレーが出来なかった。昨年のリベンジを果たすためにも,大隅にとって絶対に負けられない試合だった。
ゴールドメダルマッチは、緊張感も漂っていたものの和やかな雰囲気の中進められた。山の中を移動しながら合計4つの的を狙うため、3射目までは選手とジャッジ2名のみという小さく静かな空間で試合が進められる。

山の中で遠くの的を狙う
大隅は選手やジャッジとコミュニケーションを取りながらも集中力を保ち、様々な角度の的に狙いを定めていく。2射目までの合計では36点中32点の高得点を叩き出した。3射目もテンポよく的の中心近くに矢を放ち続け45-38で優勝に王手をかけた。

真剣な面持ちで的に向かう
最終の4射目は皆が見守る中進められた。3射目までで大隅のリードは7点。「僅差じゃなくて,ハイスコアを出して勝ちたい」という宣言通り、4射目も冷静な行射を続け、最終58-50で因縁の対決に見事勝利した。大隅の表情は晴れやかだった。

ガッツポーズを見せる大隅
フィールドの難しさはあまり感じたことがないという大隅だが、「角度がついたり色々な距離で打つし、練習で高さを記録するなどの下準備がシビアに出来ないと厳しい」。また、「適当に打つといつも以上に不安定になる」とメンタル面や性格面での難しさがあることを語った。
さらに、予選から「勝って当たり前」と優勝を期待される中で圧倒的に勝ち切ることのできるメンタルの強さを見せつけた。今試合で記録した58点という点数は「インカレでこの点数だったら優勝できるくらいの点が出た」。
今回の収穫については「フィールドが得意ということを再確認できたし、インカレも優勝を目指せるなという自信がついた」と語った。来月にはインカレターゲット、そしてインカレフィールドと試合は続いていく。今季調子が上がってきている中で、得意種目であるフィールドを制した大隅。
この勢いそのままに、同志社アーチェリー部を引っ張ってほしい。(井代奈那子)
☆表彰後

☆集合写真
