11月17日、同志社大学田辺グラウンドにて行われた関西大学ラグビージュニア第8節対天理大。リードで前半を折り返すも、後半に猛攻を受け逆転負けを喫し、Aリーグの借りを返すことができなかった。
同志社のキックでゲームが始まると、両者ともゲインを許さなかった。「体を当ててあまりゲインを取られずにディフェンス出来ていた(LO堀内・スポ4)」試合が動いたのは前半11分、同志社がアドバンテージで獲得したインゴール前のラインアウトからだった。ラックから抜けだし中央へと攻め寄り、SH原田(心理3)のトライ。コンバージョンゴールは外すも、待望の先制点を奪取した。そのまま流れを一気に引き寄せたかった同志社だが、自陣22m付近での天理大スクラムからトライを献上。コンバージョンゴールも決められ、逆転を許した(5-7)。

天理大のディフェンスに苦しむ同志社

パスを回す原田
「ディフェンスから。」選手一同は声を張り上げていた。天理大のボールキープ時間は圧倒的に長かった。しかし同志社FW陣がディフェンスで我慢を続け、ターンオーバーに成功するとSO桑山(政策2)が大きくゲインし相手陣地へ踏み込む。WTB山本(翔)(スポ4)からWTB内田(法4)へパスを回し、敵陣5mまでゲインする。インゴール前で受けた桑山が中央から左サイドへロングパスを繰り出し内田が掴むと、相手のタックルをすり抜け逆転のトライ(12-7)。しぶといディフェンスからボールを奪取した同志社はその4分後、蹴り合いの中、原田がプレッシャーをかけ敵陣10~22m付近でチャージに成功。こぼれ球を最後はFL平田(スポ4)がインゴールへと運んだ(19-7)。前半終盤に天理大に1本トライを決められるも19-14とリードで前半を終えた。

平田のトライで喜ぶ選手たち
後半は厳しい展開を強いられた。後半開始1分、インゴール前まで一気に攻め込まれ被トライ、逆転されてしまう(19-21)。この後もディフェンスでの時間が続いた。天理大の速攻に苦しむ場面が多く、徐々に相手のテンポに飲まれていく。だが同志社FW陣も負けてはいない。同9分にアドバンテージで獲得した敵陣5m付近でのラインアウトからモールを形成、途中出場のPR井本(法2)がインゴールへねじ込み、再び逆転に成功(24-21)。

井本のトライで逆転に成功
しかし同13分、ハーフライン付近から独走トライを止められずまたもや逆転を許す(24-28)。天理大の低く突き刺さるタックルがじわじわと同志社を後退させた。そして同23分、天理大の追加のトライが決まり、シーソーゲームが崩れた(24-35)。このまま突き放されるわけにはいかない同志社。直後に桑山がハーフラインから敵陣22m付近までボールキャリーすると最後はWTB稲吉のトライで点差を縮める(29-35)。逆転へ反撃の狼煙を上げたように思えた。
だが天理大はそれを許してはくれなかった。同34分、自陣22m付近から天理大はペナルティゴールを決め、点差を9点に広げられた(29-38)。その2分後、同志社がラインアウトを獲得するも失敗。奪われたボールを一気にインゴールへ持ち運ばれた(29-45)。そして試合終了間際、天理大のとどめの一発をくらい、コンバージョンゴールも決められノーサイドとなった。29-52と引き離された結果となった。

突破をはかる桑山
Aリーグの借りを返すことはできなかった。これにてジュニアリーグ通算成績6勝2敗となった。しかし下を向いている暇はない。次戦は最後の試合となる。最終節、何があろうとも勝利で終え、ジュニアリーグを締めくくる。(川田翼)
ゲームキャプテン・LO堀内哲治
――試合を振り返って
入りは、ジュニアも最終戦に近づいていてしかも相手が天理大ということで今週一週間フォーカスして体を当てるところ重点的に準備してきたこともあり良い感じで入れました。後半も、結構拮抗して取って取られての繰り返しで相手に取られても我慢してディフェンスしていたが、こっちのミスで何本か続けざまに失点してしまったことが敗因だと思います。
――準備として特にやってきたこと
Aチームの方が優先的にやってきたので、特にジュニアに対してプレー的な面で特にしたことはありませんでした。ただ、練習中にジュニアが集まる場面では今週末の天理戦に向けて体を当てていこうと話し続けていました。
――前半と後半でのディフェンスの変化
前半は、相手の前で当ててくるプレーに対して体を当ててあまりゲインを取られずにディフェンス出来ていたのですが、後半にばててしまったということもあり、間に走られてゲインされて徐々に相手のテンポに乗せられてしまいました。後半に、ばてて相手に走らせてしまったことが変わったことだと思います。
――ラインアウト、セットプレーに関して
前半から、相手のディフェンスのサインを見ながらアタック出来ていたのですが、後半の途中でHOが2人とも脳しんとうでいなくなってしまって、そこのオプションを考えられていなかった。投げる人がいなかったので、どういったオプションでやるのかをはっきり出来ていなかったし、そこで取ることが出来なかったのも少しいたかったです。
――負傷者によってチームの雰囲気に変化があったか
特になかったです。ただ、ラインアウトをどうしようかの迷いがありました。負傷したことではなく、ラインアウトがあまり良くなかったかなと感じました。
SH原田健司
――本日の試合を振り返って
勝てるゲームを落としてしまったなという悔しい気持ちです。
――前半はSH、後半はWTBとしてプレーしたが
SHの時は周りをしっかり見て同志社らしいアタックができるように、ということを常に意識していました。チームも勢いづいていたので、その勢いを殺さないようにプレーできたと思います。WTBの時は相手のFWが強く、ディフェンスでタックルして前に出るという気持ちでやりました。ただ何本か抜かれるシーンもあったので、そこの精度をもっと上げることができたら試合にも勝てたと思います。
--試合中、チャージをする場面がありましたが、意識したことは
キックバトルの時にプレッシャーをかけにいくことは日頃から意識しています。今回は相手のワンパスに結構時間がかかっていて、何回かチェイスに行っているときに相手がミスキックをしていたので、プレッシャーをかけたらチャージできると思ってプレーしました。
――後半は厳しい展開になりましたが
敵陣入ってから右でのスクラムやキックパスを相手に取られた場面など、試合におけるターニングポイントがあったのだと思います。オプションとしては、選手間で意識の統一はできていたので、そこの精度を高められていたら、その後の展開も変わっていたと思います。また、得点された後のキックオフでマイボールにするためのクオリティを上げないといけないと感じました。
PR水戸康次郎
――今日の試合、全体的に振り返って
最初はリズム乗れていい感じだったのですが、後半は早めにとられて流れが悪かったです。FWがスクラムで取られたり、ボール出したりできずリズムに乗れなかったです。
--シーソーゲームが続き、失点した後モールで押し込んで追いつく場面も見られましたがFWとして
ペナルティで敵陣入った時点で取るっていうのはFWの中で共通意識だったので、絶対取ろうっていう気持ちでした。
――1回ベンチに下がってまたフィールドに戻ったが
フッカーはちょっとだけやったことありました。しかし焦りもありましたが、フィールドで自分のプレイをしようと思って気合い入れていきました。
――ジュニア最終戦に向けて意気込み
残り1戦なので同志社の文化を来年にも残せるようにしっかりやっていきたいと思います。
SO桑山太一
――前半はパスやランでゲインする様子が目立ちましたが、振り返って
攻める時間がそんなに長くなかった中で結構ゲイン出来て、チームに良い流れが出来て良かったです。
――アタックの面について
ずっとディフェンスで我慢して我慢してターンオーバーして、それをトライに繋げられたというのは良かったですが、もっとアタックの時間を増やさないと点を取れないと思いました。アタックの時間を増やすために、もっと良いディフェンスをしていかないとと思いました。
――後半の厳しい展開について
ラスト10分で点を取られてしまった点は良くなかったです。そこでもっと前半のようなカバーが出来ていたら勝てた試合でした。
――個人としての課題は
今日は効果的なキックを蹴ることが出来なかったのでそこが課題です。
WTB稲吉渓太
――リザーブだったが
もともとCTB古賀さんのリザーブで準備をしていました。いつでも行けるように、もし出る場面があったらディフェンスから盛り上げていこうという気持ちがありました。
――試合に入って心がけたこと
まずはディフェンスです。そして負けていて元気が無かったので、エナジーを出してやろうと思いました。
――天理大の印象
コンタクトが強い印象だったので気持ちから負けないでいこうと思っていました。
――トライの状況について
桑山さんがキックカウンターで左を走り、その後古賀さんが抜けてくれたので決めることができました。
――そのトライでチームを勢いづけられたか
トライを取られた後すぐにトライを決める事ができたので、ここから流れを変えて行ければ良いなと思いました。
――次戦に向けて
出る機会があればディフェンスから盛り上げてエナジーを出して頑張りたいと思います。