11月10日に関西大学ラグビージュニアリーグ第7節対摂南大が同志社大学田辺グラウンド(京都府)で行われた。前半の序盤で相手の猛攻を受けたものの、同志社の展開ラグビーを見せつけ快勝を収めた。これでジュニアリーグの通算成績を6勝1敗とした。
摂南大のキックで試合が始まると、開始早々ピンチを背負った。「ずっとボールを回して攻めてきて、そこの局面で前半ひるんでしまった。(FL平田・スポ4)」前半2分、自陣10m付近でオフサイドを取られ、ペナルティキックを献上。自陣5~22m付近での摂南大のラインアウトから左サイドでモールを形成されると、一気にインゴールへと持ち込まれた(0-7)。苦しい展開は続いた。ハイテンポなパスワークと強靱なフィジカルでゲインを許してしまう。同志社FW陣は踏ん張るもミスタックルやインサイドのディフェンスが噛み合わない。すると同12分、ゴールエリア前のラインアウトからまたもやモールを作られる。トライを防いだように見えたがラックから抜け出され、右サイドへトライを奪われた(0-14)。

相手のアタックを止める同志社
幸先の悪いスタートを切った。しかし同志社も黙ってはいなかった。同16分、摂南大のノックオンで獲得した同志社のファーストスクラムでコラプシングを取りすぐさま再開。NO.8秦(スポ4)のショートキックをインゴールでWTB内田(法4)が確保(7-14)。その3分後、左サイドから放たれたパスを秦が弾いてWTB新谷(経4)へ繋げると、華麗なステップで相手を交わして同点のトライ(14-14)。

相手をかわして突破する新谷

スクラムの様子 左:摂南大 右:同志社
その後もギアを上げていった同志社は同21分に新谷が相手を突き放すトライを決めると、同28分にもFB山本から受けたボールをまたもや新谷がインゴールラインを割った(26-14)。BK陣の奮闘にディフェンスの歯車が噛み合ってきた。前へ前へと詰める堅い守りで摂南大のゲインを防ぐ。同35分、敵陣22m付近での摂南大のラインアウトはノットストレートとなりマイボールスクラムとなると、展開ラグビーで相手を揺さぶった。最後はCTB芳森(スポ4)から秦へボールが渡ると、そのまま中央突破。SO桑山(政策2)のコンバージョンキックも決まると前半を33-14で終えた。

相手を突き放すトライを決めた秦
後半は序盤から同志社が主導権を握った。後半10分、秦に変わって入ったNO.8南(スポ1)がラックから抜けたボールを受けトライを奪うと、その2分後にはSH木下(経2)も続いてトライし点差を一気に広げて、摂南大を突き放す(47-14)。しかし同17分、敵陣10m付近からタックルをかわされると瞬く間に自陣22mへ侵入される。そのまま素早いフットワークでトライを献上(47-21)。その後もタックルで相手のアタックを完全に止める事ができず、一歩ずつじわじわとゲインを許す。
だがその流れを断ち切るように、同志社のラインアウトからモールで相手をねじ伏せた(52-21)。最後はFL木原(スポ1)がとどめの一発を決めてノーサイドとなった。

モールでインゴールへ押し切った

ゲームキャプテンを務めた平田
結果的に危なげない結果となったが課題は残った。前半で摂南大に2連続トライを許した。「FWがセットプレーの仕事をやりきれていない。FWがハードワークをしていかないといけない。(PR黒澤・社4)」得点を奪わせないようより堅い守りを徹底し、鉄のカーテンを作り上げたい。
次戦の相手は天理大だ。昨年のジュニアでも敗北を喫している。ディフェンスの課題をもう一度見直して、相手のアタックを一つでも多く止めたい。そして次戦も勝利で飾りたい。(川田翼)
○コメント
ゲームキャプテン・FL平田洋輔(スポ4)
――ゲームキャプテンとして
元気がなかったので、まずは盛り上げようというところを意識してやりました。
――試合前のチームの雰囲気について
アップでどんどん盛り上げようとしました。試合前には良い感じで持ってきたのですが、前回の試合ほど良いアップをして良い雰囲気には及ばなかったと感じました。ですが全体的にすごく良かったです。
――試合前の摂南大のイメージ
個のコンタクトで勝っていくよいうイメージがありました。それに勝つためにもしっかりと盛り上げて挑みました。
――実際にやってみて
特にキックを蹴ってあまりエリアを取ってこなかった。ずっとボールを回して回して攻めてきて、そこの局面で前半ひるんでしまい、ペナルティを取られてゴール前でも取られる事が2本くらいあった。それを修正するために前半の後半から、相手が個人で来るときはしっかり前に出てディフェンスをしようとしました。ディフェンスを主にという面ではしっかり修正できました。
――前半の早い段階で2連続トライを決められたが
一気にトライを決められたので気持ちが緩んでいた部分があったと思っていたので、そこをもう一度しっかり引き締めようとしました。ディフェンスでしっかり上がろうというところと、オフェンスでもディフェンスでもアグレッシブに、もっと攻める気持ちで行こうという風に声をかけました。
――自身のタックルについて
いつもよりは行けていたかなとは思いますが、タックルはそこからのリロードまでがタックルなので、そこのリロードがまだ甘かったと思います。ですがしっかり相手に当たれていて良かったと思います。
――試合を通して見つかったチームと自信の課題について
自分が盛り上げようと言わないと個人個人が気持ちを上げていくのは厳しいと思うので、そこをもっと個人個人が積極的にリーダーシップを持ってやってほしいというのは課題として残りました。また、ディフェンスで前に出ようと言っても出れていなかったり、出たとしても横とのギャップで抜かれてしまう事があったので、ディフェンスの強化が一番の課題かなと思います。オフェンスではハンドリングミスだったのでそこはすぐに直せると思います。後はしっかりディフェンスのパックなどの細かいスキルだとは思うのですがそこをしっかり確認していきたいと思います。
PR黒澤桂(社4)
――試合前の摂南大の印象
フィールドで内に切ってくる印象だったので、1週間前からそれに備えてインサイドからディフェンスするのを練習してきました。
――実際やってみて
実際に内に切ってきたのですが、前半の20分くらいはディフェンスがうまくできていなかったです。それ以降は、しっかりインサイドのディフェンスの部分がはまってきて、ディフェンスから自分たちのペースを作れていたと思います。これからの課題として、準備していたインサイドからのディフェンスを最初から出していくのが課題です。それが出来てなかったら、結構危ない試合になってしまうと思いました。
――前半失点については
インサイドのディフェンスが出来ていなかったからというのがあります。あとミスが多く、ミスの後の反応が鈍くて対応が出来ていなかったです。これからもっとミスの後の反応を上げていかないといけないと思います。もうひとつ、FWがセットプレーの仕事をやりきれていなかったと思いました。FWがハードワークをしていかないといけないと思います。
――前半のスクラムについては?
まだまだ全然ダメです。途中から修正して良くはなったのですが、最初からもっと押さなければダメだと思いました。次からはもっと早く修正して、スクラムでプッシュしていきたいと思います。
FB山本翔(スポ4)
――試合前と後の摂南大の印象
アップの雰囲気からしてイケイケなチームだったので勢いがあるだろうなと思い、受けないようにしっかり入っていこうと思っていました。前半は受けてしまってトライも取られてしまったのですが、その後は自分たちのチームもしっかり勢いが出てきて戦えました。結果としては勝てたのでよかったです。勢いのあるチームだなと思って入ったのですが、最終的には自分たちのチームの勢いの方が勝ったかなという感じです。
――前半のアタックについて
前半の前半はアタックしていても最後のつなぎの部分でミスが起きてしまったので、トライを取られた後にしっかり修正していこうと話し合いました。その後、アタックが当たってきたので、その入りの部分のアタックのミスを事前に引き継がないように防ぎました。
――失点の時のチーム雰囲気
しっかり入っていこうって感じだったのですけど、くじかれた感じでした。いつもより少し静かでおとなしく、元気のない感じでした。大人しくしていても意味がないので、チームをもっと元気づけようと声かけしました。
――試合を終えて見つかった課題や反省点
一番の反省点は前半最初の部分で入りが悪くて、2トライ取られたところです。Aチームが負けていてジュニアも負けられない戦いなので、そこの前半の最初の部分から準備ができたらなと思っています。
――良かった点について
前半の入りが悪かった部分から修正できて、ディフェンスでもアタックでもクオリティーの高いプレーができていたところです。でもところどころディフェンスの部分においてまだまだの部分があるので、そこをもう一度整理していきたいと思います。でも収穫としては、しっかり修正できたところだと思います。
HO橋本一真(商3)
――摂南大の印象
セットプレーがしっかりしていて、勢いに乗ったら厄介なチームだなと思っていました。
――作戦はありましたか
入りの20分、ファーストコンタクトを含めタックルを厳しくし、ディフェンスもアタックもこっちから仕掛けていこうという話はしていました。
――試合の立ち上がりについて
入りは正直良くなくて、同志社は全体的にAリーグもジュニアも入りが課題だと思うのでそこをしっかり克服していきたいと思います。
――スクラムについて
最後は自分の思っていた通りのスクラム組めたので、良かったです。しっかりヒットを8人で組むことができました。ペナルティももらうことができましたし、良かったです。
SH木下空(経2)
――摂南大に対する試合前・後の印象
癖の強いチームという事と、Aチームのメンバーで来るかもしれない事を事前に聞いていて試合前から気合いを入れて挑みました。序盤は摂南大の方が優勢でしたが、徐々に修正をして、前半の残り20分から自分たちのペースが取り戻せました。
――今日の試合を振り返って
(前半に2点失点して先制攻撃を仕掛けられた事も踏まえて)同志社大学はスロースターターとよく言われるので、アップからしっかりあげていって前半から自分たち優位な試合展開にしていくことが今後の目標です。
――今試合で克服できた課題
SHというポジジョンは、基本あまりDFラインに入らないが、中盤でDFラインに入って自分から止められていたのでそこが良かったです。
――新たに見つかった課題
DFラインに入ってからタックルで止めることは出来たが、相手に一歩ゲインされてしまう場面があったので、あともう一押しできるようなタックルを今後していきたいです。