9月7日から9日に中ノ口緑地公園(富山県)にて行われた、第57回全日本学生アーチェリー個人選手権大会。リカーブ部門女子の部で西村(商1)が優勝、それに続き安久(心理2)が準優勝を果たした。
雨が降り、コンディションが悪い中決勝ラウンドが行われた。
予選から好調だった安久は初戦をストレートで勝利し、2回戦目も「負ける気があんまりしなかった」と強い気持ちで挑み駒を進めた。続くセミファイナルでも緊張することなく確実に勝利を上げて行った。
一方、西村は公式練習からあまり調子が上がらず初戦では的を外してしまうシーンもあった。
不安な気持ちを残しながらも接戦を勝ち抜き迎えたセミファイナルでは、数々の成績を残してきた大橋(近大)と対戦。両者譲らぬ展開でセットポイント4-4となり最終セットへ。1点差でわずかに上回った西村に軍配が上がった。

弓を構える安久

弓を構える西村
決勝で同志社対決。安久と西村がセミファイナルを勝ち抜いた瞬間、優勝・準優勝は同志社のものとなった。これまで別のブロックにいた2人が勝ち上がり決勝戦で顔を合わせた。「同志社は最近大きい大会でいい結果を残す事がなかったので1位2位が同志社って決まった瞬間だったので良かった(安久)」と西村との対戦が決まった時のことを振り返った。
決勝戦が近づくにつれ次第に雨が強くなっていく。
大雨の中、2人は弓矢を手にし日本一をかけてフィールドに立った。百戦錬磨の安久か、それとも勢いに乗るルーキー西村か、皆が固唾を飲んで見守った。

安久と西村の対決
25-22で先にセットポイントを取ったのは西村だった。ここまで好調だった安久の点数が伸び悩む。続くセットも西村が取り、安久は後が無い状況に追い込まれた。しかし迎えた3セット目、西村が矢を放とうとした瞬間強風が吹き荒れた。手元が狂い的を外してしまった西村はそのセットを落とし、続く4セット目も落としてしまう。
決着は最終セットに持ち越された。会場にいる全員が注目していた。22(6,7,9)―24(8,8,8)と接戦の末西村が日本一を手にした。「やっとタイトルが取れた(西村)」高校からアーチェリーを始めた西村にとってこれが初めての優勝となった。
今大会誰よりも1位を目指し練習に励んできた安久。「自分がちゃんと射ったらそれなりの点数がついてくると最近思えていたからそれができなかったことが悔しい」と苦い表情で振り返った。

渾身のガッツポーズを見せた西村

それぞれの賞状を手にする二人
全日本で同志社が偉業を達成した。全国各地からトップレベルの選手が集結する中で、優勝常連校の宿敵近大をも抑え堂々の1位2位を独占。同志社が新たな歴史を刻んだ。(大石きらり)