6月に入ってからぐずついた天気が続いている。しかし、天気予報を裏切り、6月10日の上越は太陽の光が差した。この日行われた明大との一戦。今季初の関東勢との対戦となった本試合で、紺グレは確かな手応えをつかんだ。
前半の立ち上がりは、今季早々から強豪相手に結果を出している明大に押し込まれる展開が続く。前半8分に、相手キックを拾われ被トライ。さらに力強いフォワードに苦戦し、コラプシングを何度もとられてしまう。明大はそこを逃さず、ラインアウトからモールを組み、フォワード戦で仕掛けさらにトライを奪った。このまま相手ペースにのまれるのかと思われた前半29分。永冨(商4)の右サイドでの突破を起点に逆サイドへ展開し、最後は堀部(社3)が中央を抜きトライ。続く30分にはマイボールのスクラムからボールを出し、山口(商4)が突破。数的有利となり、ボールを受けた中村圭(商3)が独走でトライ。このまま流れを奪い逆転するかに見えたが、明大も黙ってはいない。34分、この日3つ目となるスクラムコラプシングをとられ、ラインアウトモールからまたしても被トライ。40分にも全く同じ形でトライを奪われる。14-26と2トライ差をつけられ前半を終える。

相手ラインを突破する原田(心理3)
嫌な流れで前半を終えたが「セットプレーがかなり劣勢だったので、ペナルティーをしないというところを徹底して後半に臨んだ。」と山口が話した通り、後半の立ち上がりはペースをつかむ。後半3分、相手自陣深くでペナルティーを獲得し、文が力でトライをもぎ取る。13分には、ゴール付近でのラックから中尾がトライ。20分には、南野(商3)が裏へグラバーキックで仕掛け、相手が取り損ねたボールを安田(商4)が持ち去りトライを決めた。ここで遂に35-33とし逆転する。さらに22分にカウンターから江金(経3)が独走でトライ。このまま突き放すかと思った28分。得意のフォワード戦で攻め込んできた明大に対し粘り切れず、スクラムから展開され被トライ。終了間際にもスクラムで押し込まれ、我慢できず失点。42-47とされて試合終了のホイスッル。悔しい敗戦となった。

江金(経3)のトライを祝福する選手たち
「明大はトライを取りにいって形で取っているが、同志社は明大のミスからトライをもらっていますね。」そう試合中の解説では語られていたが、今試合の6トライは確実に同志社が取り切ったものである。蹴ったボールに対し、前から強いプレッシャーをかけることで、相手のミスを誘う。そこからターンオーバーし、トライにつなげるシーンを何度も作った。
今後の課題はセットプレーでの守備だ。スクラムの際にコラプシングを取られるシーンが多く、そこからモールに持ち込まれ得点を重ねられた。ペナルティをしないための対策が求められる。
中村圭、南野をはじめとする新しい力の活躍も光る。ひとつひとつの課題を克服し、「負けない同志社」となったとき、また新たな光が秩父宮への道を照らす。次戦の慶応戦でのひとつひとつのプレーから目が離せない。(宮ノ原幸佑)
萩井監督
―試合を振り返って
我々は春から練習してきたボールを動かすラグビー、ディフェンスで前に出て行くというところで一定の手応えがあった部分はあった。
しかしやはり明治さんの伝統の力強いフォワードというところで中盤から後半最後のほうもやられた。そこは課題としてふたたび全国で当たる時に明治さんに胸を借りるつもりで頑張りたい。
―具体的な課題
フォワード。特にセットプレー、モールも含めて中盤のペナルティーを重ねてモールで得点を重ねられた。そこは継続してやって差を埋めたい。
―オフェンスはについて
今年からコーチも新しくなって、選手とコーチ一体となったことがある程度手応えとしてあった部分はあった。
―上越市ではラグビー公式戦が初めて
そのような場に呼んでいただけて光栄。しっかりとした準備をしていただいて本当に我々がやりやすい環境に整えていただいて大変ありがたい。
文裕徹(法2)
―スクラムを振り返って。
全然ダメだった。今まで組んだスクラムよりレベルが違った。ペナルティやターンオーバーが多発してしまった。
―ラインアウトモールについてのチームとして対策。
競るのか入るのかが曖昧だった。相手のモールが外に回してくるのに前半は対応できず簡単に取られてしまった。普段から相手の組み方を考え、どういうディフェンスをするのか決めていかないといけない。
―慶應戦に向けての修正点。
今日FWがセットプレーでしっかりキープして、自陣での場面でももっと頑張れれば楽だったと思う。1週間しかないがFWを強化して勝ちたい。
山口修平(商4)
―試合を振り返って
セットプレーでプレッシャーをかけられて思ったようなプレーができずに、後半も修正できなかった。今日出た課題を修正して次の試合につなげたい。
―前半のモール失点からの後半への修正点は
セットプレーがかなり劣勢だったので、ペナルティーをしないというところを徹底して後半に臨んだ。
アタックの部分でもプレッシャーがかかっていたので、あまりフォワードで勝負せずにバックスで回したことがはまった部分はあった。
中村圭吾(商3)
―トライを振り返って
スクラムハーフはサポートコースを作ることも求められています。そこで最終的にトライすることも役割だと思っているので、常に意識はしていました。
―明大に向けて意識したことは
全体的にプレースピードが速いので、相手につながる前に止めようと思っていました。いけたんじゃないかなとは思います。
―次戦に向けて
勝ちきることが大切なので、意識していきたい。