5月5日、宝ヶ池競技場(京都府)にて行われた関西大学リーグ春季トーナメント1回戦。同志社は立命大と対戦し、33-17で勝利した。

試合前に円陣を組む同志社
今季初の15人制での試合ということもあり、立ち上がりはペースを掴めなかった。
試合が動いたのは前半18分。左に大きく展開し、山本雄(商3)がサイドをゲイン。そのままパスを受けた中尾(政策2)がトライし先制した。

トライを決める中尾
流れを掴んだかのように見えたが、前半22分に立命大に左のサイドを突破され、被トライ。7-5となる。お互いに守備が固まらず、攻めあぐねる中で前半を終えた。
後半開始早々、同志社にチャンスが訪れた。同志社の強みでもあるアンストラクチャーの状態からの攻撃。立命大のキックをキャッチした山本翔(スポ4)が相手ラインを突破した。独走でゴールラインまで運び、最後はパスを受けた原田(心理3)がトライ。コンバージョンゴールも成功し14-5とした。

突破を図る山本翔
前半同様、流れを掴みかけたが、またしても立命大にサイドを突破されトライを許した。14-12と接戦の中、立命大にミスが起きた。敵陣深くからキックで逃げようとした立命大に対し、原田がすかさずチャージをかけロングキックを止めた。そのままボールを奪い、トライ。
19-12とし、このトライから勢いを得た同志社。後半14分にワントライを決められ19-17とするも、後半22分にライン際で相手選手を交わした山本翔がトライ。

山本翔のトライに喜ぶ、左から山本翔と人羅(社2)
後半37分には、交代で入った人羅がアンストラクチャーから中央を突破し独走。最後はゴールライン付近でパスを受けた主将・山口がトライ。33ー17で試合を終えた。
ディフェンスやキックなど細かなミスはあったが、混戦からの突破など同志社の得意な形での攻撃が見られた一戦だった。まだ今シーズンは始まったばかり。来月には明大と慶大という強豪との試合が控えている。一戦一戦の中で全国に通用する力をつけ、「強い同志社」が見られることを期待したい。(宮ノ原幸佑)
○コメント
山口修平(商4)
・公式戦では初めての15人制でしたが、試合前も含めチームの雰囲気はどうでしたかーー
全員でしっかり準備してモチベーションを上げていったので、雰囲気はすごく良かったと思います。アップから『空気で勝つ』というのをテーマにしてやっていて、それが実践できて、入りも良かったと思います。WTBの選手がチェイスするというところで先手打とうという戦術だったのですが、そこがはまって流れが同志社に来たと思います。
・主将としてはどうでしたかーー
100点満点で言ったら60点くらいです。自分自身のプレーであまり引っ張ることができなくて反省が残りますが、今日のタイトなゲーム、チームとして勝つことができて、そこは正直ホッとしています。
・反省する部分とはーー
個人の反省は、まずファーストプレーでノックオンをしてしまって、それを引きずってしまった感じがありました。なかなか、自分の持ち味のペネトレイトという部分で前に出ることができなかったので、次の試合はプレーで引っ張っていけたらなと思います。
・これから定期戦など試合が続きますが、何を意識していきますかーー
一体感。部員が169人いるので、全員が同じ方向を向いていけるように。
山本翔(スポ4)
・今期初めての15人制での公式戦でした。試合を振り返っていただけますかーー
1試合目ということで、春になるまでに準備してきたことを色々試しました。その中でうまくいかなかった部分とうまくいった部分があったのでそこをしっかりと改善していきたいです。次の試合に向けて、積み上げていけるような試合になったと思います。
・ご自身の突破からトライにつながったシーンがターニングポイントになったと思います。トライを振り返っていただけますかーー
どちらともアンストラクチャーの中からのトライでした。そこは同志社の強みでもあるので、そこで取れたということはよかったです。こういったシーンをもっと増やすことができるよう、ゲーム方針を組み立てていきたいです。
・来月から定期戦も始まります。具体的な改善点を教えていただけますかーー
僕個人としては、コンバージョンキックのところで止められてしまったので、そこは次回から無いようにします。チームとしては、キックなどの細かいミスが多くあったので、そこは改善していきたいです。
原田健司(心理3)
・今シーズン初めての15人制の試合でしたがチームの雰囲気はどうでしたか?ーー
GWの強化練習期間で一体感をもって取り組むことがチームのテーマでした。その練習でやってきたことを15人全員でやろうとしているということはすごいチームの中でも感じることができました。チームとしては課題はいっぱいあったんですが、スタートとしては悪くはなかったのかなと思いました。
・トライを決めた、その時の状況はどうだったかーー
1本目は相手がキックを蹴ってカウンターで山本翔さんが抜けたシーンで、自分はスクラムハーフで早くポイントにもいかないといけないし、そのフォローでトライ取るっていうのは結構意識しているポイントだったので、やっぱり抜けたときに素早く反応して翔さんのところに走ってパスをもらいに行けたところがよかったです。2本目のトライは練習でハーフがチャージに行くっていう練習をしていてその形をそのまま出してトライまでつなげることができたので、そこは練習の成果がでて意識できて良かったなと思いました。
・なぜ今回自分がスタメンに選ばれたと思うかーー
自分はそんなパスもすごく上手くないですし、キックも飛びぬけていいキック蹴れるわけではないですが、誰かが抜けた後のフォローだったり普通のスクラムハーフじゃなくって。よくヘッドコーチとも話すんですが、ちゃんと思いっきり迷わずプレーをしろっていうのは言われて、そこを出したら絶対に自分の強みになれると言われてたので、人羅とかほかのハーフとかそんな差はないです。みんなすごいライバルで同じラインってわかっているので。その、自分が何がいいから選ばれたとかあんまりないのかなって。けど全力で思い切ってやったら絶対他の選手よりもすごい強みは出せるのかなって思っているので、そこを出せる(のがいい)ところなのかなって思います。縮こまっていたら、自分のプレーできないので、思い切ってプレーすることによってさらに自分もそうだし味方のプレーの幅も出せるというのは、ずっと言われているのでそこを一応コーチも評価してくれているのかなって思います。でもそれを試合で出すのは自分なのでそれが出せたか出せていないかっていうのはまだあんまり手ごたえはないですが、これから頑張りたいです。
・これからの試合や定期戦に向けて意気込みを教えてくださいーー
今日練習でやってたいい部分っていうのはすごい出せましたが、自分の課題っていうのもまだあって逆サイドに攻めるときももっと仲間を呼んで攻めたり迷ってプレーしているところが多かったので、思いっきりチームを動かしてトライにつながるプレーをしたいと思います。
永富晨太郎(商4)
・練習や試合前の雰囲気ーー
今日はラグビー祭で応援してくれる人が沢山いたので、全体で盛り上げようという意識があり、いい雰囲気でやれました。
・試合の振り返りーー
前半が自陣で攻めすぎたので、もっと後半の時のようにキック使って、敵陣に入れたらもっと楽に試合を進めれたと思います。
・関西選抜を経ての試合のコンディショニングはーー
そんなに疲れは感じていなくて、ラインブレイクもできていたので、動きは良かったと思います。
・定期戦やリーグ戦に向けてーー
やってない部分が多いので、コーチ陣としっかり話し合いながら落とし込んでいって、全員で面白いラグビーができたらと思います。後半の時のようにみんなでボールを回していけたら面白いラグビーになると思うので、そこのところを意識してみんなで練習していきたいと思います。
・やってない部分とはーー
今日でいうと、相手キックオフからの出すパターンがワンパターンしかなかったのでそこのパターンを増やしていきたいです。
堀部直壮(社3)
・15人制として公式戦初めての試合でしたがーー
ラグ祭の立命戦をターゲットにしている中で、今春は「全員で一体感」を目標に掲げて準備していました。今回は、いい準備が出来たと思っています。
・試合前に決めていた事とはーー
自分の役割であるラインアウトなどを行う中で、しっかり相手の配置を見てからどのように動くかの選択肢を決めていて実践で行かせたのが収穫でした。
・フォワード内でどう高めていきましたかーー
(人が変わったので)タイトファイブとかを朝練で補って、去年出来ていなかったスクラムにフォーカスして強化しました。今年は、フォワードで勝つ事を目標にしているので、この立命戦でそれが出来て良かったです。
・今後はーー
これから試合も続きますが、一日一日の練習を大事にしてその積み重ねが最後結果につながると思います。同志社内でのポジション争いもそうですが、内部のレベルを上げていくことがチーム全体のレベルアップにつながって来るので今後そういった面も意識していきたいです。
~best player of atom~
観客の皆さん64名に聞いた今試合のベストプレーヤーは前回のセブンズに引き続き、原田健司さんでした!
「キックの精度が上がっていた。」「ナイスチャージ」「良いフォローをしていた」など、評価が高い原田選手。伸びしろ抜群です!
トライを決める原田