4月8日、天理親里競技場(奈良県)にて行われた関西セブンズ2018・第2日決勝トーナメント。同志社は初戦で近大と対戦し、5-28で敗れた。敗者トーナメントで大阪府警(22-12)、関学大(19-12)に勝利し、最終結果は5位。ジャパンセブンズ出場は叶わなかった。
第1試合 VS近大 ●5-28
前半開始早々から近大の流れだった。左右に回しながら着実に前へ進んでくる近大、少しの隙間をつかれゴールライン手前まで攻められた。原田(心理3)のタックルでなんとか危機を逃れるも、同2分、自陣5m付近中央の相手ボールスクラムから近大が左に展開、同志社のディフェンスはハンドオフで弾かれ、そのままトライを許した。同3分にも2トライ目を決められ、そろそろ1本返したい同志社だが、「コミュニケーションが取れていなかったり、お見合いしたり」(内田・法4)。なかなかボールをキープすることができなかった。同7分、マイボールスクラムでの相手の反則から人羅が一度左に展開、ポイントを作り、江金(経3)から原田へと回し、最後はキャプテン山本翔(スポ4)がトライを決めた。

近大のディフェンスに捕まる内田

相手の攻撃に構える山本翔
5-14で前半を折り返し、切り替えたい同志社だったが、流れは近大が掴んだままだった。後半すぐに、内田がサイドライン際で勝負をかけるも、手の負傷でハンドオフが思うようにいかず、そのままタッチに出された。その後もミスや反則が続き、同6分、ディフェンスにつくも、近大に押し込まれ被トライ。これが決定打となった。負けたら終わりのトーナメント。ジャパンセブンズへの道はあっけなく閉ざされた。
敗者トーナメント
第2試合 VS大阪府警 ◯22-12
4位以降を決める敗者トーナメントの1戦目は、予選プールで関学大や関大を破った大阪府警察。油断はできなかった。前半からノックオンやハイタックルなど反則が続き、トライのチャンスを作ることができなかった。同4分には、同志社のシンビンで1人少ない状態の中、自陣5m付近左の相手ボールラインアウトから大阪府警はモールで勝負をかけてきた。一気に押し込まれ先制トライを許すと、同7分にも1トライを加えられ、0-12で後半へ入った。

ディフェンスを突破する桑山(政策2)
後半は開始早々に1トライを返した。同1分にもマイボールキックオフを取ると、桑山がビッグゲイン。金(法3)がボールを出すとそのまま細かいステップで相手ディフェンスをかわしていき、トライを決めた。同4分、またもマイボールキックオフを取り、一度右に展開しゲインすると、左に展開。中央の金から左端の原田へロングパスが通ると、そのままゴールライン内側まで走りきりトライ。最後は、相手のパスミスを金が拾ってハーフラインから独走トライ。後半に盛り返した同志社は2トライ差で勝利した。

ゴールラインへ走り抜ける金
第3試合 VS関学大 ◯19-12
素早いフォローに思いっきり突っ込みボールを奪いにくる関学大に対して、平田(スポ4)や山本雄(商3)がしつこく絡み反則を誘う。攻守の変わりが多く、お互いに一歩譲らない時間が続いたが、前半4分、中央で抜けられ先制トライを許した。その直後、相手ボールキックオフのボールを山本翔が敵陣10mまで大きくゲインした。最後は原田が2枚のディフェンスをかわしトライ。同6分にも桑山のトライで点を加え、12-7で前半を折り返した。

関学大に向かっていく平田
後半0分にトライを決められ、同点に並んだ。その後も前半同様、反則を誘っては、ターンオーバーされ、と拮抗した試合展開が続いた。勝負を決めたのは原田だった。同7分、敵陣22m付近右の相手のペナルティで一から落ち着いて攻撃を始めることができた。順目に左へ展開し、最後に原田が外へ走り込んだ。そのままゴールライン中央まで持っていき、トライ。コンバージョンゴールも決まり12-19で試合終了。敗者トーナメント優勝で、今年の関西セブンズフェスティバル2018は幕を閉じた。

関学大の攻撃を止める山本雄
ジャパンセブンズには届かなかったが、「7人制で今シーズンが終わるわけではないので、しっかりと15人制に繋げられるように」(セブンズキャプテン・山本翔)。選手から出る言葉は前向きだった。見つけた課題をどれだけチームと共有し、高めていけるか。同志社ラグビーはこれからだ。(於保いちこ)
◯コメント
<1試合目 VS近大>
セブンズキャプテン・山本翔(スポ4)
・試合を振り返ってーー
負けてしまったのは凄く悔しいです。ところどころで自分たちのやりたいことができなくて、近畿大学さんにいいようにやらせてしまったので、そこが自分たちの詰め切れなかったところかなと思います。
・セブンズの経験を15人制にどう活かしていきたいですかーー
みんなハードワークの仕方をわかり、7人制では一人一人がリーダーシップをとっていたので、15人制では一人一人が目玉になってくれると思います。
内田彩貴(法4)
・試合を振り返ってーー
ディフェンスでやってきたことが出せないところがありました。
先制トライを決められて、そこで気持ちを切り替えなければいけなかったんですが、切り替えられずに後半に入って、そこからまたずるずるいってしまいました。切り替えられるように声かけできなかったのが悔やまれます。
<2試合目 VS大阪府警察>
桑山太一(政策2)
・試合を振り返ってーー
入りは相手に流れがいっていけなかったんですが、後半はマイボールキックオフをとってマイボールにして、外に展開したらトライ取れたので、チームとしてもいい流れができました。
・初戦との気持ちの切り替えはーー
初戦で負けてジャパンセブンズは逃したのですが、ここで勝つかどうかこれからのシーズンで大事なことだと思うので、チームとして意識して取り組みました。
・初めてのセブンズですがーー
セブンズの練習は1ヶ月以上やっていたので、そんなに不安はありませんでした。
金正太(法3)
・試合を振り返ってーー
初戦の近大に負けて、自分たちが気持ちで負けていたことに気がつきました。決勝には進めませんが、大阪府警戦では勝とうという気持ちで一丸になり試合に挑みました。
・ご自身の突破からトライにつながるシーンが、多くありました。何かセブンズに向けて意識されていたことはありますかーー
自分の持ち味はステップ、俊敏さだと思っています。それをセブンズに活かしたいと思っていました。セブンズでは後半から入ることが多かったので、しっかり流れを変えて、フレッシュな選手が相手に面倒臭いと思われるプレーをすることを意識していました。流れを変える起爆剤になれるように試合に臨んでいます。
<全日程を終えて>
山本翔
・セブンズ全体を振り返ってーー
結果としては残念なものとなりましたが、一応最後は勝って終われたことは良かったかなと思います。7人制で今シーズンが終わるわけではないので、しっかりと15人制に繋げられるように、これからまだまだハードワークをしていかなくてはいけないということを7人制のメンバーで共有できました。これから7人制のメンバーが15人制で頑張っていくのが楽しみです。
・個人としての今後の目標をお願いしますーー
今年が最後のシーズンなので、日本一へ貢献できるようにハードワークして、僕が日本一のピースになれるように頑張っていきたいです。
高野蓮(社4)
・昨日、今日とセブンズの試合を振り返ってーー
思うような結果が出せなかったです。優勝を目指していたので、残念な気持ちというのがまず1番にあります。あとは、少しのミスでセブンズは負けたり勝ったりするというところに、ドラマがあるなと感じました。
・このセブンズを通して、達成したことはーー
7分間ハードワークできたことが一番の収穫です。これを15人制に活かして、また1からレギュラー争いに参加してレギュラーを勝ち取り、次は15人制で優勝できるように頑張りたいです。
・これからの意気込みはーー
これから春シーズンに入っていき、色々なところと試合をしていく中で、全部に勝つという意識でいきたいです。そして夏合宿を経て、秋シーズンの本番で関西制覇・全国制覇を目指して頑張っていきたいです。
内田彩貴
・1日目、2日目を通してどうでしたかーー
一番に思うのは、最初の近大戦がすごく悔やまれます。それに尽きますね。今日の3試合目の試合ができていたら勝てたと思っているので、そこがもったいなかったです。自分たちのやってきたラグビーをできていたら勝てていたと思います。
・自分たちのラグビーが出せなかった理由はどこにありますかーー
コミュニケーションが取れていなかったり、お見合いしたりして、ディフェンスに抜かれたりしていました。2試合目からはコーチに言われるのではなくて、自分たちでまず考えて言い合ったので、改善できました。
・セブンズで見つけた課題や良かったところを今後どうチームに生かしていきますかーー
2、3試合目は出場できなくてサポートに回ったんですが、サポートの大切さというのを改めて感じました。選手が頑張るのはもちろんなんですが、サポートがどれだけ選手に勇気や元気、やる気を与えられるか、心から応援してやれるかがチームの結果を左右すると思ったので、サポートの大切さを今後生かしていきたいです。
原田健司(心理3)
・1日目含め全体を通してどう感じましたかーー
昨日は自分たちの課題っていうのが見えた1日で、それを修正しようっていう意気込みで今日臨んだんですけど、今日の1試合目で修正できず自分たちの悪いところが出てしまった14分間になってしまいました。でもそれを2試合目、3試合目で修正出来て、みんなハードワークしてさぼらずプレーするっていうのができたのでいい形で終われたかなと思います。全体的には、選抜メンバーで練習したときとかにまだ信頼が薄くてこのチームで大丈夫かなっていう不安はあったんですが、試合を重ねていくにつれて、きついときにもがんばることで仲間としての信頼感とか責任感とか強まって、シーズン1発目の公式戦として1つ成長できたかなと思います。
個人的にもプレーの幅も広がって15人制ではできない動きもセブンズでできたのでそこはよかったかなと思います。
・セブンズの経験を今後の15人制でどう生かしますかーー
ディフェンスだったり15人制での自分の役割以外のところでもっとチームを助けられるプレーっていうのが、セブンズで試合していく中でたくさん身についたと思うので、そこを出せればいいなと思います。
木下空(経2)
・初めてのセブンズについてーー
自分の力の無さに気付かされました。来年はこの事を糧にして、優勝したいと思います。
・この大会で実感した事は15人制になるにあたって今後、どう取り組んでいきますかーー
仕掛けをセブンズで全然できなくて、スクラムハーフとしても仕掛けは大事になっていくので、そこをどんどん磨けて行けたらと思います。
・仕掛けを磨くに当たって今後、どんな事を意識していこうと思いますかーー
しっかり前を見て空いてるスペースに走りこんで、敵を引きつけてパスを出すことです。特に前を見ることを意識していこうと思います。
・全体を通してーー
リーダーズという1人1人リーダーシップを持ってやっていくことをチームとして意識していました。敗者戦で優勝できたのは1人1人がリーダーシップ持ってやれたからで、よかったと思います。
・リーダーシップという面で今大会、自分自身はいかがでしたかーー
できてる面もあったのですが、チームの勝利にもう少し貢献できるかなと思いました。今後、そういうとこも意識して練習に臨んでいけたらと思います。
同大生や他大学生、観客が選んだ今日のベストプレーヤーは、原田健司さんでした!
タックルがいい、突破力がある、ハードワークなど、様々な意見がありました。攻守ともに今後の活躍に期待がかかります。
