7月2日、秩父宮ラグビー場(東京都)にて行われたなの花薬局ジャパンセブンズ2017。同志社はプールAを2戦2勝で1位通過。決勝トーナメントに進んだが、準決勝でトップリーグ・トヨタ自動車ヴェルブリッツに19-21で敗北。2点差に泣き、今年も悲願の優勝には届かなかった。
予選プールでは、因縁の相手、大東大戦が注目された。「グループリーグで全勝して決勝のところにのこらないと、まずスタートラインに立てない」。原田(心理2)・光部(社4)を始め、同志社全員が大東大戦の重要性を理解していた。序盤、大東大にボールを支配される。3人の外国人留学生を擁する大東大を、チーム全員が低いタックルでしのぎ続けた。良いディフェンスは必ず良い流れをもたらす。前半3分、ターンオーバーに成功した同志社は、原田が大きくゲイン。サポートしていた山本雄(商2)に渡り、先制した。その2分後、今度は安田(商3)の突破から再び山本雄が決めた。一気に試合の主導権を握った。

外国人留学生に対して身体を張る鶴田(法4)

2トライの活躍を見せた山本雄
そして、堅いディフェンスは緩めることはない。前半終了間際、アマト・ファカタヴァ(大東大)を5人がかりで止めた。強力なランナーだが、全員の
ハードワークが功を奏した。後半も勢いそのままに大東大を圧倒。31-10で快勝し、予選1位で決勝トーナメントへ進んだ。

接点でもしっかりとハードワークをした
1回戦、早大を38-14で勝利し、準決勝へ駒を進めた。鬼門にたどり着いた。昨年はこの準決勝で姿を消した。

試合前にベンチ・スタメン一体となって試合に臨んだ
相手はトップリーグ・トヨタ自動車ヴェルブリッツ。苦しい戦いになることは間違いなかった。自分たちが関西セブンズからやってきた同志社のラグビー、自分の持ち味であるスピードを活かせば絶対に勝てると信じてやった」。学生として出場する最後のセブンズで鶴田は決意していた。しかし、今までの同志社の姿はなかった。自慢のBK陣が突破できない。鶴田・山口(商3)・安田・髙井(スポ4)・・・。各々の持ち味で何度も相手を振り切ってきた選手たちがトヨタの鉄壁の前に沈黙した。「フィジカルで負けていた」全員が口をそろえて振り返った。

突破を図る山口
トヨタは要所で得点を確実に決めてきた。3トライに抑え込んだが、反撃も空しく19-21で試合終了。またしても、準決勝の壁を越えられなかった。

前半終了間際に意地のトライを決めた鶴田

終了間際には髙井がトライを決めた
「自分達はハードワークしていたけれどそれでも足りなかったし、トップリーグのチームだったので、全体的に強かった」(安田)。同志社は決してミスがあった訳ではない、準決勝まできた勢いもそのままだった。それでも相手が1枚うわてだった。トップリーガーの前に選手も会場の紺グレファンも沈黙した。

試合後、肩を落とす同志社
「今回のセブンスのチームスローガンが『ハードワーク』セブンスで出場したメンバーがハードワークして15人制を引っ張っていけたらいいなと」(髙井)。セブンズの練習はハードだった、と振り返る。虚しくも結果には結びつかなかった。この悔しさが15人制で完全に払しょくできるわけではない。トヨタ自動車にもリベンジの場があるわけではない。しかし、冬の大学選手権で再び秩父宮ラグビー場に帰って来ることはできる。その日まで、聖地での笑顔はとっておこう。107回目の紺グレ・春シーズンが終わった。(只松 憲)
~選手コメント~
安田卓平
チーム最多の4トライ。自身のプレーは――。
特別なことはしていないけれど、関西の時には自分がステップをきるというのが知られた状態でのプレーだったけれど、関東のチームでなかなか対戦する機会もないですし、その部分で自分の持ち味を出せた。
15人制につなげたい事は――。
トップリーグと試合できたっていうのもそうですし、トップの大学と試合できたっていうのはすごい経験。セブンズの練習はしんどかったけれど、このメンバーがこれからハードワークして、引っ張っていけるように頑張りたい。
光部修平
全体を振り返って、今日の印象に残った試合は――
2戦目の大東大戦。去年負けた相手で、15人制でも負けていたのでリベンジできてよかった。
準決勝の対戦相手・トヨタとの差は――
相手がだいぶ研究してきていて、また大舞台での経験値の差は少なからずあった。個人の能力が高くてさすがトップリーガ―。ハード―ワークしていたけど、個が強さが見えた。
山口修平
印象に残った試合は――
トヨタ戦。去年がベスト4で終わったのでことしはぜったいそれをこえようとおもっていたが。そのような意気込みでやっていたけど2点及ばずおわってしまった。また、最後の自分のオフロードパスが通らず、そのせいで負けてしまったのでむちゃくちゃ悔しい。
社会人であるトヨタとの差とはどのような点か――
一人ひとりの個々の能力の高さ。トップリーグ相手でディフェンスも個々が優れていた。負けているというのわかっていたから、運動量でそれを上回っていこうと思っていたけど一歩及ばなかった。
セブンズで自分はどのようなプレーをするように心がけているか――
自分はとにかくボールを持ったら走るっていうのが役目。アタックではとにかく前に出てトライをとり切るのが自分の役目。安田とかうまいやつらが繋いできてくれたボールをとにかくトライ取りきろうと思ってた。ディフェンスでは練習の時から「ハードワーク」をテーマに意識していて、しんどいことをしようと思ってた。タックルした後にすぐに立って動くとか。
原田健司
今日の試合の中で一番印象に残った試合――
印象に残ったの、あのいい意味で印象に残ったのは大東、そのやっぱ予選、グループリーグで全勝して決勝のところにのこらないと、まずスタートラインに立てないので、最初のタマリバクラブが初戦ということで、みんな固まってちょっと動きづらいっていうのはあったんですけど、大東戦二試合目でここで勝てないと優勝とか全然できないから、まずはそのフォーカスゲームで、大東は外人いるんでそこでしっかり勝てるように、試合内容的にもデフェンスも二試合目凄く良くなって、あの外人にみんな低くタックルできてたんで、そういった意味ではいい印象、同志社勢いついた試合になったと思います。
準決勝を振り返っていただいて、課題などはあったか――
やっぱトップリーグの選手は体が全然違うので、スピードとか勝てる部分も同志社あるんですけど、トップリーグのフィジカルで持って行かれてそこに人数をかけてしまって空いたところを攻められることが多くて、でもそのなかでも同志社が繋いでトライとれたところとか、さぼらずみんな一生懸命みんな練習でやってきたことを最後まで諦めずにやれてたので、、きついときにみんなベンチからの声もたくさんあったり、ここでやめたらバックアップとかで出れない先輩とか、部内でセレクションして出れない同期とか先輩とかもいたのでグランドに立っている以上は百出し切らないといけないので、そういう思いがありました
鶴田桂樹
今大会、印象に残った試合――
やはり準決勝。今年こそ、去年の準決勝で帝京にやられたリベンジをしたかったが、今年も去年と同じように2点差で負けてしまって悔しいです。自分たちが関西セブンズからやってきた同志社のラグビー、自分の持ち味であるスピードを活かせば絶対に勝てると信じてやりました。
トヨタとの差――
やはり、フィジカル、アップローでの差が大きかったです。トップレベル(相手はトップリーグの強豪・トヨタ自動車)との差を体感しました。
15人制にはどう活かすか――
このセブンズを通して、一人一人がやりきる、ハードワークすることができた。そういう部分を夏合宿などで活かして、そして冬にはまた秩父宮の決勝の舞台(大学選手権決勝)に帰って来れたらいいなと思ってます。
髙井勇貴
準決勝の内容振り返って――
後半7分の出し切りというチームの方針で僕は出場したんですけど、もっとやれたことがあるかなってゆうのが本心です。アタックとかは出来たんですけど、DFの面ではまだ走れたってゆうのがあったので、後悔しかないんですけどこれを次に繋げて行きたいです。
これを15人制にどう繋げて行きたいか――
今回のセブンスのチームスローガンが「ハードワーク」セブンスで出場したメンバーがハードワークして15人制を引っ張っていけたらいいなと思ってます。