6月25日、同志社大学京田辺ラグビー場(京都府)にて行われた、同志社ラグビー祭、対天理大。失点はスクラムトライ3本、モールでのトライ3本で36失点。攻撃陣も阿部亮(心理4)が復帰戦でトライを挙げたが、続かずわずか7点。春シーズン集大成の時期に、痛い敗戦となった。
開始早々は耐えていた。外国人留学生を擁する天理大に対して、低くタックルを仕掛け、簡単にゲインを許さななかった。しかし、一気に流れが傾いたのは前半8分、ファーストスクラムだ。漆黒の塊に紺グレFWは後ずさりするしかなかった。同20分にはスクラムトライを許した。「やっぱり一番は普通に根本的な力で負けてるし、練習量も全然足りひんし、まだ対等に組み会えるレベルまで追いついてきてない」(PR中村・経2)。前半は終始、同志社陣内でのプレーが続き、スクラム・モール等セットプレーごとに天理大がボールを支配していた。

終始押されたスクラム
後半に入っても状況はさほど変わらなかった。FW陣が食らいつくも、天理大が圧倒的なフィジカルで押してくる。自慢のBK陣にもボールが回らない。悪循環だった。結局試合は7-36で敗北。点差以上に、実力の違いを思い知らされた。

天候が悪い中、キックでエリアをとる安田
今年のスクラムは
春シーズンを振り返れば、5月28日の立命大戦からスクラムが押され始めた。今年のスクラムは、「8人の塊」を重点的に意識している。フロントローだけでなく、FW全員で押すこと。これがまさにスローガン「BOND」であろう。特にスクラムで流れを掴み損ねた試合は、6月4日大東大戦、6月18日京産大戦、そして6月25日の天理大戦だ。3つの試合に共通することは、スクラムで一気に相手に生気を与えてしまったこと、そしてBK陣へのボールの供給が十分でなくなったことだ。逆に言えば、スクラムを対等に組めた試合では、勝利している。秋の関西リーグ、同志社の勝敗を左右するのは、8人にかかっているといっても過言ではない。
副将・阿部の復帰戦トライ
阿部亮介がけがから帰ってきた。B戦やC戦を挟まずに、いきなりのA戦デビュー。ブランクなど一切感じさせないプレーを見せた。「ラグビー感覚が戻っていない中で試合だったので、どれだけ体張れるかを意識して試合に臨んだ」。数少ないチャンスをものにした。後半20分、CTB山口(商3)がゴール前でゲイン、FB安田(商3)から阿部に渡り、インゴールに飛び込んだ。今試合唯一のトライとなったが、完全復活を証明する価値あるトライだった。

ゲインする阿部

今試合唯一のトライをあげた
平田、気持ちのプレー
前半終了間際、FL平田(スポ3)が気持ちの入ったプレーを見せた。自陣5mでの相手ボールスクラム、徐々に徐々に押され、スクラムトライを覚悟した。天理大NO.8ファウルア・マキシがグラウンディングする瞬間、一瞬だけ隙ができた。「相手が気を抜いていたので、狙っていた。」間一髪でグラウンディングを阻止し、ノックオンの判定。追加点を許さなかった。完全に流れが天理大だっただけに、印象深いプレーだった。

間一髪のトライ阻止や、ビックゲインもみせた平田
課題がはっきりと見えた春シーズンだった。FWはセットプレー、特にスクラムやモール。BKは数少ないチャンスをものにすること、そしてトライゲッターの層を厚くする事だ。ここまで鶴田(法4)が10トライをあげているが、他のBK陣が続いていない。時間は刻々と迫ってきた。勝負の夏だ。萩井監督、そして野中主将らチームを引っ張る大黒柱の真価が問われる時が来た。(只松 憲)
☆コメント
PR中村海輝
いきなりの出場、どうでしたか――。
準備はできてました。ずっとこだわっていたのはスクラム、それは絶対負けないっていう気持ちでピッチに立ちました。
そのスクラムでどこが負けていましたか――。
一番は根本的な力です。練習量が足りない、まだ対等に組みあえるレベルまで追いついていない。
これはこの前の京産戦でも感じたことです。とにかく練習するしかありません。
今日は自分らの思い通りにさせてもらえませんでした。しかし今年からもFWに力入れて、確実に力はついています。
合宿に向けてちゃんとパワーアップして、秋は京産、天理に勝ちたいと思います。
具体的にどんな練習を――。
8人の塊を意識しています。技とか小手先のことをする前に、根本的に強くなることです。8人全員で練習するだけです。
ブレイクダウンについて――。
春から力入れてきて劣っているとは感じませんでした。フィジカルはあり、こだわっていることは間違ってないので、継続です。
特にモールについて――。
今スクラムばかりしていて、練習が行き届いてない部分もありますが、手ごたえは感じたので秋には勝てます。
CTB阿部亮介
今回復帰戦だったが調子の方は――。
ぼちぼち。ラグビー感覚が戻っていない中で試合だったので、どれだけ体張れるかを意識して試合に臨みました。
今大会唯一のトライだったが振り返ってみて――。
フォワードが頑張ってくれたので、22(のエリア)の中でゲームが出来た。フォワードが頑張ってくれたからこそのトライだったかなと思います。
FWが苦しんでいた時にかけていた声かけ――。
BKとしてはスクラムの時は自分たちは何もできないので、負けても落ちないようにと。翔平(野中)とか丸(丸山)はキャプテンとバイスキャプテンとして
スクラムで戦っていたので、BKのバイスキャプテンとして落ちないようにと声かけをしていた。
FB安田卓平
今日の試合はどのようなことを意識されて望まれたか――。
今日はやっぱり前半は基本的にキック蹴って、自陣じゃなくて敵陣でラグビーをすることを意識してキックはいつもより多めに蹴ってたんですけど、
後半点差もあいてきたんで、やっぱり自分たちのペースにするために、積極的にカウンター仕掛けていったんですけど...。
今日のキックの調子――。
そこまではあんまりよくなかったです。
天理と戦った感触――。
継続して敵陣にアタックしたらトライ取れたりゲイン出来るシーンいっぱいあったんで、まずは敵陣でしっかりラグビーしてミスなく自分たちのペース
でラグビーできれば天理に勝てるのかなと思います。
FL平田洋輔
スクラムの感覚は――。
京産やそれまでの試合に比べたら耐えれてる時もあった。でも最終的に押されたり崩されたりしたので、決して勝てたとは言えないし、
ウィークポイント。でも改善していたのでそこは良かったかなと。
セットプレーは――。
ラインアウトはスキルだからもう練習するしかない。ペナルティ気を付けないといけない。
一度、天理大のトライを間一髪で阻止した――。
相手が気を抜いていたので、狙ってました。
大きなゲイン何度か――。
良くも悪くも自分らしくなかったかな。本来自分はタックルが持ち味なので。見えないところで奮闘したい。