12月20日に花園ラグビー場(大阪府)で行われた大学ラグビー選手権大会セカンドステージ第2戦、筑波大戦。連勝を飾りたい同志社だったが、22-36と筑波大に力負け。これでセカンドステージは1勝1敗。これにより次戦の大東文化大に勝つことがベスト4進出の最低条件となった。
「一寸した隙でトライを取りきれる筑波大学」(山神監督)。この言葉が凝縮された試合展開だった。敵陣に攻め込むも要所のミスで得点を取りきれない同志社。一方でチャンスを確実にトライへつなげる試合巧者ぶりが筑波大にはあった。

日本代表同士の対面対決にも注目が集まった
前半は攻守の入れ替わりが激しい試合展開となった。筑波大がラインアウトモールから好機を作れば、同志社も素早いパスワークからチャンスを演出。両チームとも見せ場を作るも、なかなかスコアが動かない。17分にはFB﨑口のラインブレイクからゴール前まで迫るもラストパスが通らずトライできず。互いに要所でのミスが響き得点を挙げられないまま時間が進む。そして、こう着状態が続く中スコアが動いたのは26分。相手ペナルティーでPKを獲得するとSO渡邉が確実に決め3-0。先制し勢いに乗りたい同志社だったが、筑波大が猛攻をみせる。その直後のキックオフボール処理のミスからピンチを招くとそのまま筑波大のアタックを止められず被トライ(3-5)。35分にも相手SOの突破から大幅ゲインを許すと、鋭く人数をかけられ被トライ(3-12)。立て続けにトライを奪われるも前半終了間際にWTB松井がトライし8-12。筑波大をとらえたまま試合を折り返す。

ラインアウトの精度向上が今後の修正ポイント

この日も2トライを決めたWTB松井
「後半は(相手アタックを)受けてしまった」(山田)。筑波大の素早い寄りと相手SHのランプレーに対応できず、後手に回る。5分、ラインアウトモールを組まれるとSHに走りこまれ被トライ(8-19)。続く、9分にも被トライ(8-26)。ディフェンスのギャップを突かれ再三ピンチを招く。ここまで終始筑波大ペースで試合が進むが、同志社も意地を見せる。18分、しつこくフェーズを重ね着々とゲイン。そこからSO渡邉のキックパスにWTB松井が反応しグラウンディング。23分にもモールからトライし22-26。同志社の追い上げに会場のムードも最高に。しかし、またしてもここで筑波大の強さが光った。素早い寄りからSH大越のキックをチャージ。そのままターンオーバーを許し被トライ(22-33)。その後、PGを決められ22-36で試合終了。これで選手権セカンドステージの戦績を1勝1敗とした。

CTB陣の突破が光った

豊富な運動量でボールに多く絡んだNO8秦

インゴール手前まで迫るもトライに結びつけなかった

モール起点にトライを奪った
これでベスト4進出への道が途絶えたわけではない。次戦・大東文化大戦に勝ち、大東文化大のボーナスポイントを1以内に抑えることが進出条件となる。「しっかりと準備していく」(山神監督)。この敗戦を糧に万全の状態で大一番に挑む。次戦で終わらせるわけにはいかない。皇子山で笑うのは俺たち同志社だ。(杉本 大)
☆コメント☆
山神監督
前節、勝利して気持ち良く試合に挑みました。筑波大には選手権で連敗しているので連敗を止めることを目標に戦いました。残り20分からが勝負と思っていたので、そこでトライが取れたので選手はよく戦ったと思います。フィジカルの部分でも関東のチームに負けない身体になってきた。ラインアウトは少し修正し無いとダメですね。一寸した隙でトライを取りきれる筑波大はトップ4に進んでいるチームの経験値なのかと思いましたし、一人目が当たって二人目三人目が入ってくるスピードが凄く早かった。関東のチームの中でも一番早いのではないか。悲観せず、アドバンテージポイントをもらっているので、次を勝利すれば正月を越せるチャンスは我々にあると思います。しっかりと準備していきます。
PR才田 智
4年間練習試合も含めて筑波大学に勝利した事がなかったので、1点差でも良いから試合に勝とうと皆に言って挑んだ。4年連続ベスト4に進んでいるチームはミスを見逃さない。今日は私たちにミスが多く出たことが敗因。ただ、慶應戦では目標にしていたモールでのトライが取れなかったので、今日の一本は大きな収穫となりました。一人目二人目が本当に早くて、対抗するところもあったが要所要所でターンオーバーをされたのでそこを修正しなければなりません。
PR海士 広大
勝てる試合でした。ブレイクダウンで取られてしまったところもあったんですけどそんなにFWで負けたという印象はないです。天理大のときに一番いいディフェンスができたので、それをもう一度やっていきたい。次勝ったらベスト4に行けるので負けるわけにはいかないです。大東大は外国人が強いので、そこを封じたら勝てると思います。アタックはいい感じなのでこの調子で攻めていきたいです。
LO山田 有樹
(試合を振り返って)悔しいです。次戦の大東文化に向けて自分たちをかえていかないといけません。筑波大のブレイクダウンの寄りが速いのをわかっていたけれど、こちら側が高くなってかけられた部分とか、簡単なミスで取られてしまったりとかあるので、次に切り替えていきたいです。(モールでのトライについて)FWでモールでしっかりトライを取ろうと話していたので、固まれて取れたことは練習の成果が出たと思います。(ディフェンスについて)この1週間、内側からあげて福岡さんのようなスピードのあるランナーを止めるように話していて、前半は上手く止められていたが、後半少しこちらが受けてしまい、向こうのテンポでボールを出されてトライを取られてしまいました。また、ブラインドサイドに走られたところもコミュニケーションをとって修正していきたいです。(次戦の大東文化に向けて)相手のキーマンである外国人選手をしっかり止めて、自分たちのラグビーをしたいと思います。
FL丸山 尚城
”セカンドマンレース””サバイブ”の2つをキーワードに今週やってきました。2枚目がどれだけ早くフォローできるか意識しましたが、筑波さんの方が要所要所で早かったですね。FWのセットプレーが安定していなかったことが敗因かなと。1本目でブラインドいかれて、そこから修正できませんでした。(大東文化)外国人選手とSHの動いてくるプレーに注意したいです。あとはセットプレーの安定は心がけたいですね。
SH大越 元気
勝てた試合だったと思います。(チャージされたシーンについて)自分が想定して、ミスをしなければ。オプションはたくさんあったが、自分で蹴るのか、当てて蹴るのか。1度同じプレーをやっていたので、そこは考えれば良かったかなと思います。(大東文化)今回は自分の負けなので、次チャンスを頂いたらもう1回準備して、悔しさを晴らしたいです。
SO渡邉 夏燦
先制するまではいいディフェンスといいアタックができたのですが、PGで先制したあとはブレイクダウンのミスや自分のキックミスで相手に簡単にトライを取られてしまいました。後半にも何本か得点したあとのミスでトライを取られてしまったことが多かったので、自分たちが点取ったあとの場面のオプションを「もっと単純にすればいいのか」という判断と正確なプレーをしないといけないと思います。(ブレイクダウンについて)こちらが1人の時に狙われることが多く、常に2人でいけばプレッシャーをかけてくることもなかったし、ブレイクダウンも勝っていることもあったのでまず1人にならないという簡単なことからしっかりやっていきたいです。また、ラック周辺のコミュニケーションミスでトライを取られているので、しっかりやらないといけないです。しかし、今日はたまたまあそこが空いていただけなのでいつも大丈夫なので、しっかり継続していきたいです。(次戦の大東文化戦に向けて)スクラムハーフと外国人選手をしっかり止めないといけません。今日の試合よりキーマンを止めることを意識してやっていきたいです。
CTB林 真太郎
ブレイクダウンが強く、集散であったり早さがあるチームでした。試合前から、そこは分かっていたのですが、試合をやってみてやはりそこを徹底してやってきてるなと感じました。今日に向けて、ディフェンスを重点的に練習してきました。前でしっかり止めようと。そこができなかったですね。トライ取った後、トライを取られた後のプレーの質が悪く、そこで流れが悪くなってしまった。そこが大きな敗因だと思います。(大東文化大戦に向けて)外国人選手が強いチーム。そこをしっかり止めてディフェンスから組み立てていけたらと思います。
WTB松井 千士
福岡選手と対戦するのは1年時の選手権に続いて2度目でした。セブンズでも仲良くしていたので意識はしていました。福岡選手とマッチアップをして、以前と成長できた部分とまだまだなところがありました。以前よりは差は縮まっていると思いました。今日は外からのプレーが多かったので、仕事量をもっと増やしていきたいです。トライはFWが粘ってのものなので、自分で取りきったというよりはチームで取りきることができた。次は勝てばベスト4が決まるので激しい戦いになると思う。どちらがベスト4に行きたいかという気持ちの部分が大切になってくるとおもいます。今日の敗戦を生かして次につなげたいです。
1海士 広大(商3)
2 東 大樹(スポ4)
③ 才田 智(社4)
4 山田 有樹(社3)
5 森山 雄(商4)
6 丸山 尚城(商2)
7 野中 翔平(スポ2)
8 秦 啓祐(心理3)
9 大越 元気(商3)
10 渡邉 夏燦(社4)
11 氏家 柊太(政策3)
12 永富晨太郎(商1)
13 林 真太郎(商4)
14 松井 千士(スポ3)
15 﨑口 銀二朗(経3)
16 山﨑 翔太(社2)
17 趙 隆泰(法3)
18 石橋 海洋(スポ2)
19 戎 勇(社3)
20 菰田 雄大(文4)
21 岩村 昂太(スポ4)
22 永富 健太郎(スポ3)
23 吉澤 奨悟(商4)