9月5日に保土ヶ谷公園ラグビー場(神奈川県)にて行われた、慶應定期戦。今年で98年目を迎えた日本最古の大学ラグビー定期戦、同慶戦。伝統ある定期戦に多くのラグビーファンが試合会場に詰めかけた。前半、トライを奪い合う両者譲らない試合展開を見せるも後半、同志社が突き放し56-45でノーサイド。リーグ戦開幕前最後のトレーニングマッチを白星で締めくくった。

試合前、円陣を組む同志社
強烈な日差しが照りつける中、慶應キックオフで試合スタート。同志社のペナルティが相次ぎ序盤は慶應ペースで試合が進む。前半5分、自陣右サイド深くから慶應のラインアウト。インゴール手前で攻防を繰り広げるも粘りきれず被トライ(0-7)。あっさりと先制を許す。その後も慶應がボールキープし守りの時間が続く。そんな展開を打ち破ったのは1年生ルーキー。WTB安田の好タックルで相手のノックオンを誘発し攻勢にでると、前半9分。ハーフライン中央付近で相手のペナルティから素早くリスタートすると大きく左へ展開。WTB髙野がボールを受け取ると快速を飛ばしグラウディング。コンバージョンキックもSO渡邉が決め7-7に追いつく。

攻守ともに存在感をみせたWTB髙野
前半15分には、自陣からSO渡邉のキックから大きくゲインすると敵陣インゴール5㍍手前でマイボールラインアウトを獲得。ラインアウトできっちりマイボールキープするとブラインドサイドを攻め最後はPR才田が押し込みトライ(12-7)。その後は両者ともに譲らない一進一退の攻防が繰り広げられる。この均衡を破ったのは慶應。前半21分、相手LOにビックゲインを許す。相手の素早い寄りからペナルティを犯すと、自陣深くでヤンボールラインアウトを献上。ラインアウトからモールに持ち込まれるとじりじりと押されインゴールへ(12-14)。

モールは互角
慶應に逆転されると続く前半25分。ヤンボールスクラムから相手SHが持ち出しビックゲインされると、相手の素早いパスワークに対応できず被トライ(12-19)。失点後は同志社がボールキープし攻めるもペナルティが続き、なかなかインゴールへボールを運べない。攻め手を欠くなか前半35分、CTB石田が粘り左サイド奥深くでポイントを作ると、数的優位に立つ右サイドへ展開。ライン参加したFB﨑口を経由し最後はWTB髙野がトライ(17-19)。前半終了間際にもライン参加したFB﨑口からFL末永へ繋ぐと抜け出しそのままインゴールへ(24-19)。前半終了間際に逆転に成功。24-19の同志社リードで試合を折り返す。

今シーズン、Aチームに定着したFL野中
慶應はメンバーを総入れ替えし、後半スタート。相手のキックをWTB髙野が処理し、そのまま敵陣へ攻め込み大きくゲイン。ブラインドサイドのNo.8高田にへ繋ぐと、力強いハンドオフで相手を寄せ付けずトライ(29-19)。その後、1トライするものの慶應のFWを起点としたアタックから2つのトライを許し34-31。白熱した試合展開に観客から大きな声援が送られる。後半24分、CTB石田が細かいステップから大きくゲインすると、フォローに走っていたSH岩村に渡しグラウディング(41-31)。続く28分にはWTB氏家が快速をとばしトライ(46-31)。このまま慶應を突き放したい同志社だが、後半33分、LO秦がシンビンにより一時退場。同志社数的不利のなか、慶應も負けじと2トライ。慶應の追撃をかわし56-45で試合終了。

力強いハンドオフをみせるNO.8高田
関東の強豪・慶應には勝ったもののレフェリングへの対応や細かな連携ミス、セットプレーの精度など課題も多く見受けられた。リーグ戦開幕まで残すところあとわずか。万全を期し、初戦・近大戦へ。リーグ開幕戦を制しスタートダッシュを決めたい。(杉本大)

セットプレーの安定が勝負にカギになる
☆コメント☆
山神監督
試合最初の入り方を上げていくというのを最近やっているが、まだまだ物足りなさを感じたね。今日もスロースタートで細かいミスから自陣にとどまっていたのを相手にやられたし、そのあたりがまだ課題とすべきところなのかな。あと、関東の大学はやはりコンタクトの部分が強い。いつもと違い、そうした相手との試合になると下がりながらのディフェンスになっているし、ディフェンスの立ち位置も見直さないといけないね。レフェリングにしても、選手を交代してもペナルティは多かったし、そこも今後上手く対応していかないと。でも、全体として今日は粘れたんじゃないかな。ペナルティを多くとられながらも勝てたしね。やはり、今日の収穫は「勝ったこと」。流れが悪い中でも、粘れていたし勝てた。数年前なら今日のような試合だったら負けてたんじゃないかな。また、途中交代の選手がインパクトを残せていた。山崎はボールをしっかり前へ運んでくれたし、氏家もボールを前へキャリーできていた。途中交代選手の活躍も収穫。(リーグ戦では)最初から100%やりきること。規律を持ってやっていくこと。そういところが必要になってくるので細かくやっていきたい。
1 海士広大(商3)
2 東 大樹(スポ4)
③ 才田 智(社4)
4 山田 有樹(社3)
5 秦 啓祐(心理3)
6 野中 翔平(スポ2)
7 末永 健雄(社3)
8 高田 将侑(法4)
9 大越 元気(商3)
10 渡邉 夏燦(社4)
11 安田 卓平(商1)
12 石田 幹太(商3)
13 林 真太郎(商4)
14 髙野 蓮 (社1)
15 﨑口 銀二朗(経3)
16 山崎 翔太(社2)
17 藤川 翔悟(社4)
18 森田 恭平(経4)
19 石橋 海洋(スポ2)
20 趙 隆泰(法3)
21 朴 成脩(法2)
22 丸山 尚城(商2)
23 岩村 昂太(スポ4)
24 永富 健太郎(スポ3)
25 小林 健太郎(経3)
26 髙井 勇貴(スポ2)
27 阿部 亮介(心理2)
28 氏家 柊太(政策3)