5月10日に東大阪市花園ラグビー場(大阪府)にて行われた大阪府ラグビー・カーニバル対関大戦。今季、関西大学ラグビーAリーグ昇格を果たした関大相手に59-0の完勝。再三のピンチを粘りのディフェンスでしのぎ切り完封。攻守ともに圧倒し、力の差を見せつけた。

円陣を組む紺グレ
前戦に続き、多くのAチーム初出場選手を起用した同志社。新顔たちがこの試合でも躍動した。前半、風上をとった紺グレ。ハーフ団中心にキックを有効的に使い、試合を進めていく。試合が動いたのは前半3分。関大のペナルティから、敵陣左サイドでのラインアウトを得ると、モールへと持ち込みトライ(7-0)。引き離しを図り、アタックを仕掛ける同志社。前半12分、右サイドでポイントを作るとSH岩村(スポ4)がブラインドサイドへ展開しWTB木村(スポ4)へ。抜け出し好機を演出するも、ノックオン。また前半18分、FB﨑口(経3)のビックゲインからボールを受けたCTB髙井(スポ2)がインゴール手前へ。トライかと思いきや、相手のタックルに阻まれ得点できず。何度もチャンスを作るも生かしきれない。

CTB髙井がインゴールに迫るもトライを阻止される
果敢なアタックが実を結んだのは、前半21分。右サイドCTB石田がカットアウトで抜け出し、最後はFB﨑口がインゴール右端へトライ。難しい位置からのコンバージョンキックとなったが、難なくSO渡邉がゴールを決める(14-0)。その後も立て続けにトライを奪い28-0に。関大をノートライに抑えて前半を終えたい同志社だが、ロスタイムにピンチが訪れる。自陣左サイドでラインアウトモールに持ち込まれると、一気にインゴール手前までボールを運ばれる。その後も、関大FWの怒涛の連続攻撃を受けるもインゴールへのグランディングを阻止。ピンチを粘り強いディフェンスで守り切り28-0で前半終了。

攻守ともに活躍したFL末永
後半、同志社は風に苦しむ。自陣に攻め込まれ、キックでのピンチ脱出を図るも、強風に煽られ大幅ゲインできない。自陣でのプレーが強いられる中、局面を打開したのはLO山田。ターンオーバーから中央突破し攻勢に出る。中央でポイントを作ると左サイドへ大きく展開し末永へ。相手をかわしトライ(33-0)。そして後半中盤に入り、選手を一気に投入。ここで交代の選手が躍動する。SO永富、そしてCTB高倉、WTB小林もトライ。起用に応え、コンスタントに得点を重ね続け、59-0でノーサイド。

途中出場ながらも存在感を放ったSO永富

1トライと起用に応えたCTB高倉
「一番は0で抑えられたこと」(才田主将)と関大を0に抑えた粘り強いディフェンスをみせた同志社。新戦力も活躍し選手層の厚さもうかがわせる。そして次戦は「この春ずっとフォーカスしてきた早稲田戦」(末永)。強豪・早稲田を迎える同志社にとってこの完封勝利は大きな収穫になったに違いない。強豪相手にこの春どれほど差を縮められたか。同志社の現在地を知る絶好の機会に勝利で応えたい。(杉本 大)
☆コメント☆
山神監督
前半、つなぎの部分でミスが多かったし得点がとり切れなかった。最初のトライを取った後の戦い方に問題があった。0点に抑えることはなかなか無いことなので良かったのでは。攻め込まれる苦しい場面があったが脱出の仕方がまだまだダメ。一発で何とかしようとしているが、そこはフェーズを重ねてから蹴るといったようにしないと。今日の試合では両WTBのキープ力が課題になったので、そこを修正しないと強いチームには勝てない。アタックの課題は我慢するところと勝負するところをどのように80分間通じてコントロールできるかが重要になってくるのでは。(次戦対戦相手の)早稲田は、ブレイクダウンは特に激しくやってくると思うので、そのなかでどれだけできるかを見てみたいし、早稲田戦の連敗を止めたい。
PR 才田 智
59点取れたことよりも0に抑えられたことの方が今日の試合の価値があるのでは。相手のタックルは良かった。前半一気に相手はあがってくることは分かっていたので受け身にならず、当たっていこうというプランだった。前半の終盤から外が空いていたので、そこに振っていこうと。後半攻め込まれ、風下でなかなか敵陣にいけなかった。風下でのどのように敵陣へいくのかというところをもっと考えていけない。早稲田戦では、出来る限りのことをやるだけ。
LO 山田 有樹
チームの収穫は、ゼロ点に抑えたこと。個人としては、ボールを持ってゲイン出来たこと。チームとしての課題は、ミスが多かったのでそこが修正できればもっと点差を広げることができたし、もっと楽に点を取れたのでは。個人としては、タックルで引いてしまったのでそこをもっとプレッシャーかけて自分がもっと引っ張っていきたい。モールで押される場面もあったが、サインミスで押されてしまった。後半は修正できたのでは。何よりも0点で抑えられたのはゴール前激しく前に出られていたことがよかったと思う。
LO 森山 雄
前半、風上でファーストスコアを取れたのが良かった。(関大の印象)コンタクトはそんなに強いとは思わなかった。DFでは前節の京産大後、監督から「タックルが高い」と指摘があったが、今日も低くいけなかったのが反省点。春から強化してきたフィジカルが、通用してきているのはみんなが実感していると思う。苦しい時間帯を我慢して、0に抑えられたのは良かった。次戦の早稲田は、春からターゲットにしてきたので勝つことが第一。
FL 末永 健雄
(BKのライン参加について)外に残ってもいいと監督に言われているので積極的にライン参加している。ディフェンスが揃った状況で相手をずらすのは得意プレー。(春のフィジカル強化について)モールでも一撃でトライまで押し込まれることはなくなったので、練習の成果はでている。来週の早稲田戦にフォーカスしてきたのでフィジカル面では負けないように頑張りたい。
SO 渡邉 夏燦
前半はいい形でトライにつなげられて、点差も開いてよかった。後半は風があり敵陣に簡単に行けなくなったが、しっかりディフェンスできたのでよかった。後半の攻められてる時間帯に簡単に脱出できなかったのは、我慢が足りず、一発で抜こうとしすぎたから。パスミスは、相手のディフェンスが前の試合とは全く違ったが、前の試合と同じようにやってしまったのが原因。ゴールキックはよかったが、普通のキックは風も強くあまり当たっていなかった。今日の収穫は、FWがモールやディフェンスを頑張ってくれて助かったこと。課題は脱出の部分が明確になっていなかったこと。
SO 永富 健太郎(後半20分 途中出場)
後半ずっと自陣ゴール前で釘付けだったので、どのように打開するかを考えて試合に入った。その点ではキックでの脱出よりも、味方がゲインしてくれたので助けられたし、スムーズにゲームを進められたのでは。課題は焦り過ぎてブレイクダウンに入り過ぎたこと。もう少しゲームコントロールができたらと思う。次戦は早稲田戦だが、1月からそこに焦点を当ててやってきたので、しっかり勝って自信に繋げたい。
CTB 髙井 勇貴
久々にCTBで使ってもらえたので、積極的に仕掛けたり、相手を翻弄して前にでるという自分の持ち味をしっかり出そうと思った。前半、自分がパニックになっていたので、一度外に出て落ち着いて冷静になってからまた出してもらった。監督の配慮だと思う。今日は収穫より反省のほうが多い次の試合(早稲田戦)ではとにかく、冷静にプレーしたい。
1 海士 広大(商3)
2 中尾 勇馬(社3)
③ 才田 智(社4)
4 山田 有樹(社3)
5 森山 雄(商4)
6 野中 翔平(スポ2)
7 末永 健雄(社3)
8 高田 将侑(法4)
9 岩村 昂太(スポ4)
10 渡邉 夏燦(社4)
11 岩本 大志(理工3)
12 髙井 勇貴(スポ2)
13 石田 幹太(商3)
14 木村 凌太(スポ4)
15 﨑口 銀二朗(経3)
16 永田 亮(法3)
17 趙 隆泰(法3)
18 石橋 海洋(スポ2)
19 小孫 雅弘(社3)
20 戎 勇(社3)
21 中村 大樹(法4)
22 丸山 尚城(商2)
23 秦 啓祐(心理3)
24 大越 元気(商3)
25 永富 健太郎(スポ3)
26 佐藤 一樹(法3)
27 吉澤 奨悟(商4)
28 小林 健太郎(経3)
29 高倉 裕太(経4)
30 森島 大樹(理工4)