12月6日、西京極陸上球技場にて行われた関西大学ラグビーAリーグ、最終節・立命館戦。伝統ある一戦を制し、リーグ3位を決めたのは同志社だった。スコアは27-19。一時は1点差まで詰め寄られたが、選手権に向け弾みをつけた。
前戦・関学戦での敗北により優勝レースから脱落した同志社。最終節は前年度王者・立命館と、関西3位の座を賭けての争いとなった。プライドの為にも絶対に負けられない。互いに宿敵同士、試合は白熱の様相を呈した。
ハーフ団をガラリと変え、SHには大越、SOには渡邉を起用した同志社。前半が開始すると、いきなりビックゲインを見せた。好スタートを切り、トライを匂わせる。すると前半7分、立命館のペナルティからチャンスを作ると、フェーズを重ねてジリジリとゴール前へ。最後はバックスに展開し、WTB松井がインゴール右端にトライ。渡邉も難しい位置からのキックを決め、先制に成功した(7-0)。その後も渡邉のキックをうまく使ったゲームメイクで、敵陣にてマイボールの時間が続く。15分にもPGで3点を追加すると、24分にもCTB木村がトライ(17-0)。またも立命館のペナルティからチャンスを作り、自分たちのラグビーをきっちりと繰り広げた。前に出るディフェンスで立命館の攻撃の芽も完全に摘み取る。そして、終了間際にも距離もある難しい位置からPGを決め、完璧な試合展開で前半を折り返した(20-0)。

突破の目立ったCTB木村

関西トライランキング4位入賞のWTB松井
しかし立命館も黙ってやられてはいない。後半に入ると戦術を変更。果敢に前に出てくる同志社DFラインに対して裏にキックを蹴り込む。するとこれに対し、同志社は対応が遅れ立命館にチャンスを与えてしまう。開始から2分と経たずに失点(20-5)。「パニックになってしまった」(木村副主将)と、その後も立て続けにトライを献上。DFラインにも乱れが生じ、7分、22分と2本の被トライで得点を1点差にまで詰め寄られた(20-19)。だが同志社とてこのまま負けるわけにはいかない。後半26分、敵陣ゴール前でマイボールスクラムのビッグチャンスを得る。前半のPR才田の負傷交代で、3番の位置にはPR海士が入っていた。スクラムからトライを狙う同志社。これに対し立命館はコラプシングなどペナルティを繰り返す。一方の同志社もスクラムで押し切ることは出来ず、粘る立命館ディフェンスを突破出来ない。それでも北川、海士の位置を替え、スクラムに変化をつけていくなど戦略に工夫。なかなか決着はつかず、ゴール前での攻防は10分近くにもわたった。そして7度のスクラムを経て、後半35分、ついに同志社の認定トライ(27-19)。1つのミスから相手に流れを持って行かれない状況の中、辛抱強く我慢の時間を耐え切ってみせた。試合はそのまま同志社が逃げ切り、5勝2敗の関西3位でリーグを終えた。

リーグ戦では松井とともに同志社の得点源として活躍したWTB宮島

今リーグ戦初のスターターとして出場し攻撃のリズムを作ったSH大越

最後のトライは強みのスクラムから

伝統の一戦に應援團も駆けつけた
関西優勝とはならなかったが、最終節を勝利で締めくくった同志社。「まずはベスト4」(田淵主将)。グループリーグは東海大、早稲田、そして再び立命館と相見える。東海大、早稲田はシーズン前に1度敗れている相手。だが、FWで近場を制し、同志社得意の形に持っていければ勝機は存分にある。ここからは勝利が絶対条件。4強に同志社の名を連ねたい。
コメント☆
山神監督
後半の頭が課題。でもそのあと修正できたのは良かった。スクラムでも色々できたし、ラインアウトも新しく試すことができたので幅が広がった。合宿を通して天理戦後の気づかなかったところも修正出来たし、体調を整えたり、ゆっくり反省したりも出来たので、今日に繋がった。落ちるとこまで落ちたのであとは上るしかない。最初から強い相手なので、そこを何とか勝ちたい。
北川賢吾
ハーフタイムの時点で状況により僕が3番に入るかもと思っていた。左右入れ替えたのは監督からの指示。練習でも色々なパターンでスクラムを組んでいた。リーグ通してスクラムで圧倒しているときは良い試合をしている。スクラムが勝ったら後が走ってくれる。スクラムはうちの強みなので、こだわるとこはとことんこだわっていきたい。
東 大樹
準備期間があったし、ここまで負けてたので、今日は勝つという気持ちがチーム全体として強かったのだと思う。セットプレーからの1次目のオフェンスは自分たちの形にしようというのがあった。ラインアウトにしろキックオフにしろちょっと変えた部分があったけど、それが上手くいった。今までもリーグ戦で見られて相手に研究されていたと思うので、今回新しくしてハマったのだと思う。
山田 有樹
今日は定期戦も兼ねていて、絶対に負けられない戦いだったし、前半はドンドン前に出て敵陣でプレーできた。後半はきりかえられ、相手に前に出られて勢いに乗らせてしまった。4年生サポートして、まずはベスト4、そして優勝したい。
森山 雄
前半の入りはキープもできて良かった。
しかし、後半は攻めるつもりでいたが苦しくなってしまった。そこが反省点。浮わついていたわけではないが、前半がよくて気持ちが付いていかなかった。選手権は後半の入りにこだわりたい。
土井 祐紀
立命館はだいぶ同志社対策をしてきていると聞いていた。前半は良かった。後半の入りについては皆で心かげていたのに、続けて2トライ取られてしまったのでそこは課題。同志社のボールキャリアーに対し、立命は2枚できていた。それを同志社は1枚でいってしまったので、2、3回抜かれた場面があった。正確な状況把握をしていきたい。
田淵 慎理
後半最初の10分は意識していたが、裏に蹴られて焦ってしまった。どのチームもやってくるようなことだと思うので、修正していきたい。バックスリー、スクラムハーフの連携が大事になってくる。選手権は強みであるFWで近場で勝負して両WTBにいいボールを出していきたい。
秦 啓祐
チャンスが回ってきたので、負けないようにアピールしようと思い臨んだ。たまたま僕が持ったところでギャップができて、まっすぐ走ったら抜けた。個人的には、自分のやりたいことができなかったので今日は良くなかった。このチャンスがこれからあるかどうか分からないので、今日自分のやりたいことができなかったのは悔しい。
大越 元気
まずは勝ててよかった。久しぶりの9番だったが、キックなど個人的なミスが本当に多かった。前半はいいテンポだったが、後半は立命館のいいタックルに受け手になってしまった。今のようなミスをしてては使い物にならないと思うので、個人のパフォーマンスをあげて、勝たないと意味がない。
渡邉夏燦
今日新たに大越と共にスターターで起用されて、今までとは違うテンポにして変えようと思ってた。自分は京産戦、関学戦とスタンドからみていて、エリアが取れず負けていたと思ったので、キックでなんとか打開しようと思っていた。
宮島 裕之
ボールタッチが少なく、見せ場が無かった。DFも抜かれたし、抜かれたあとのカバーディフェンスも遅かった。反応が遅かったので、勝てて良かったが反省をして次の試合に臨みたい。ここまで日本一を目指してやってきた。自分たちの代ってこともあるし、プレーでも気持ちでも引っ張っていきたい。
木村 洋紀
2連敗していたが、悲観することなく臨むことが出来た。前半は前に出るディフェンスが機能して完璧に抑えれたが、後半後半裏にキックを蹴ってきたときにパニックになってしまった。今日は勝てたけど、関東のチームならすぐに修正してそこで勝負を決めにいくだろうからそのへんの修正力も身につけていかないといけない。
石田 幹太
前半の最初にトライを取れたことで、今までとは違ってうまく勢いづいて20ー0というスコアにできた。だが後半は相手が前に前にと出てきてDFとかもプレッシャーが強くて、同志社らしいラグビーができなかった。選手権では相手がどこであろうと、まずは同志社らしいラグビーをすること。そして関東相手に関西のラグビーは強いというところを示したい。
松井 千士
トライは余ってる場面でBKが振ってくれただけ。自分のトライだとは思っていない。ここ2試合抜く場面が少なかったけど、今日は結構抜けたんでそこは収穫。関西3位という結果は一旦忘れて、ここからまた大学選手権で日本一という目標にむかっていけたら。
﨑口 銀二郎
1人1人が勝負して、パスをさばく。広くグラウンドをつかってプレーする同志社らしいラグビーをしようと心がけた。関学戦では、後手にまわってしまって勝負できなかったが、この試合はDFで前に前に出れてよかった。自分が勝負して、両WTBにいい形でパスが回せるようにしたい。
海士 広大
出る心構えはしてたので、試合にはすんなり入れました。(最後のトライについて)あそこでFWが頑張らないとダメ。しんどい場面だったけどここで勝たないとあかんなと。選手権では関東がやっぱり強いので、そこでどれだけ自分たちのやりたいことが出来るか。今持ってる力を出しきって頑張りたい。
1 北川賢吾(スポ4)
2 東 大樹(スポ3)
3 才田 智(社3)
4 山田 有樹(社2)
5 森山 雄(商4)
6 土井 祐紀(社4)
⑦ 田淵 慎理(社4)
8 秦 啓祐(心理2)
9 大越 元気(商2)
10 渡邉 夏燦(社3)
11 宮島 裕之(スポ4)
12 木村 洋紀(法4)
13 石田 幹太(商2)
14 松井 千士(スポ2)
15 﨑口 銀二郎(経2)
16 中尾 湧馬(社2)
17 海士 広大(商2)
18 長坂 宗一郎(法4)
19 山﨑 翔太(社1)
20 末永 健雄(社2)
21 岩村 昂太(スポ3)
22 垣内 悠輔(商4)
23 髙井 勇貴(スポ1)