11月2日、鶴見緑地球技場にて行われた関西大学ラグビーAリーグ第5戦・摂南大戦。今季からAリーグに参入したが、未だ勝ち星のない摂南大を相手取る。結果は35-21の辛勝。苦しみながらもスクラムで3本のトライを奪うなど、強みを生かしての勝利となった。
京産大、関学大が先に4連勝を成し遂げ、後に続きたかった同志社。外国人選手を多く要する摂南大に対し、勝利は絶対条件だった。優勝レースから脱落するわけにはいかない。怪我に悩む選手も多い中、総力をあげた戦いが始まる。
SOには渡邉を起用。今リーグ初のメンバー入りで初スタメンだった。開始早々、同志社は敵ゴール前で得たスクラムをそのまま押し込んでトライ。右端の難しい位置からのゴールキックも渡邉がしっかりと決め、得点を7-0とした。今リーグ全戦で先制トライを上げている同志社が、この試合でも先制に成功。しかし前半8分、早くも反撃のトライを浴びる。同志社は立て続けに反則を犯し、それに乗じた摂南大にジリジリと攻め込まれた。外国人選手のフィジカルを生かしたアタックを有効的に使われ、最後は我慢できずに被トライ。同点とされてしまう(7-7)。同志社にも渡邉のキックやFB﨑口の会心のタックルなど好プレーは見られたが、反則が重なり敵陣へと攻め入ることが出来ない。すると前半24分、攻め手に欠いた同志社のパスミスをエリア中央で摂南大が拾うと、そのままインゴールへ。まさかの逆転に場内もどよめいた(7-14)。前半終了間際になんとかスクラムでトライを奪い同点に追いついたが、ペースはつかむことができず試合を折り返す(14-14)。レフェリーとの折り合いの悪さ、そして自分たちのプレーもどこか噛み合わない。苦しみながらの模索のプレーとなった。

フォローランからゴール手前まで迫ったがトライはならず

ラインブレイクで大きくゲインを見せた

キックでゲームメイク、そしてゴールキックも5本全てを決めた

「日本一のスクラム」(野中)
なんとか突き放したい後半戦。序盤からキックでエリアを広げる同志社だったが、敵陣でマイボールにすることが出来ない。ディフェンスで粘りチャンスを伺う。すると9分、敵陣でボールを獲得すると、丁寧にフェーズを重ねる。パスミスも補いながら、少しずつゲインを切ると最後はLO森山が外でボールを受け取りトライ。渡邉はこの試合3本目のゴールキックもしっかりと決めた(21-14)。摂南大も負けじとこれに食らいつく。外国人選手にディフェンスの枚数を取られた同志社の隙を見逃さなかった。外に出来たスペースに走り込んでトライ。キックも決めて、試合を再度振り出しに戻す(21-21)。これで勢いに乗った摂南大。同志社は自陣で守りの時間を強いられる。しかしここで自力を見せたのは同志社だった。後半21分、またもやスクラムを押し込んでトライを奪うと、続く24分にもモールを押し込んでのトライ。2本ともにゴールキックを決め、得点は35-21。FWが数少ないチャンスをものにし、一気に相手を突き放す。21分、リーグ戦初出場の1年生FL野中、35分にも同じく今季初出場のSH中山を投入。さらにPR海士、NO8秦も加え、再度テンポアップを図る。だが予想以上に粘りを見せる摂南大。外国人選手もペースを落とすことなく、猛攻を仕掛ける。後半終盤はひたすらゴールラインを背負ってのプレーが続いた同志社。自陣敵ボールの苦しい時間が続いたが、これをなんとか凌いで試合終了。貴重な4勝目、そして選手権出場を決めた。

今リーグ初トライのLO森山

松井とともにオフェンスの鍵を握る

堅実なプレーでチームを支えるFL土井
ゴール前では強みを存分に生かし、スクラムでのトライを量産。しかし得意の展開ラグビーは完全に鳴りをひそめた。「今回の課題」(SH岩村)。敵チームが分析をし、対策を練ってきていることは間違いない。この試合でもそれは見て取ることができた。あと3戦はいずれも厳しい戦いになることは必至だ。いかに相手の対策を上回ることができるか。それもまた勝利するうえで1つのキーポイントとなるだろう。(樋向健太郎)
☆コメント
山神監督
先週より気合は入っていたし、タックルはよく行っていた。スクラムという強みも出せて、そこにこだわることもできた。でもまだまだ荒い。体格差ある相手には人数が必要なのは仕方ないことだが、すぐに立つことをもっと徹底しないと。
PR 北川賢吾
個人の力を止めれなかった場面があったので、そこは同志社の弱さが出てしまったところかなと。気持ちが入っていなかったわけじゃないけど、プレーの精度は悪かった。
HO 東 大樹
前半は先にトライを取れたが相手に返され、後半の自分たちがトライを取れるようになるまでがきつかった。ここからは優勝に関わってくる戦い。しっかり自分のセットプレーをしていい球を出せたらなと。
PR 才田 智
油断はなかったが率直に相手の外人がつよかった。内容的に悪くもなかったが良くもなかったという感じ。スクラムから3つも取れるとは思ってなかったけど、試合前から、ゴール前ではゆっくりプレーしていこうと話していた。
LO 山田 有樹
後半はしっかり修正していくことができて、少しずつ自分たちのラグビーができてきてたのでそこはよかったかなと思う。気合がすごくてちょっと受けてしまった部分があったので、そこを跳ね返す力があればもっと楽に勝てていた。まだもう少し修正が必要。
LO 森山 雄
得意としているスクラムでもトライできてよかった。うまくいってない時間帯は、型にはめようとしすぎてしまった。ボールキープはできていたが中々ゲイン出来なくて、苦しかった。
FL 土井 祐紀
逆転されて焦っていた。そこでパニックになったら先週と同じになってしまうと思い、一から規律とかを話し合って、我慢して勝てた。
FL 田淵 慎理
接戦の中でFWの強みを出せて勝てたのはよかった。前節の課題であったFWとBKの間のディフェンスも修正できていた。たださらにその内側のFWのところをブレイクされるシーンがあったのでもう一度見直したい。ここからは選手権に繋がるいい試合をしていきたい。
NO8 末永 健雄
前半は先にトライをとって流れよかったが、外国人選手の圧力に負けてしまうこともあった。自分が今回走れていなくて、、、調子も悪かったので、成長して残りの3戦に挑めたらいいと思う。
SH 岩村 昂太
ペナルティが続いたのでしんどかった。自分たちのミスも多かったけど、レフェリーとうまくコミュニケーション取れていなかったのも大きな要因。トライももう少しBKで取れるようにしないと。
SO 渡邉 夏燦
最初はFWで楽に取れたけど、攻め急ぎすぎた。もっと有効に攻めれていたら。相手の穴を攻められなくて逆に攻めつかれてしまった。
WTB 宮島 裕之
同志社のミスやペナルティで自陣に入られたことが多かったし、相手のミスからOFに持って行けなかった。とりきれなかった。その中でも、キックでエリアを取れたのは大きかった。
CTB 石田 幹太
前回の試合、内容がいいものではなかったので今日は重要な試合だと思っていた。けどFWに頼っていたし、もっといい攻撃の組立をしないといけない。個人的にはラインブレイク出来たのがよかった。さ
WTB 松井 千士
前半は14-14で折り返したけど、FWがスクラムでトライしたり、取るところで取れていた。摂南は外国人選手が強かった。前半は苦戦したが、後半は修正できたと思う。
FB 﨑口 銀二郎
個人的に先週不甲斐なかったから今日はしっかりやらないとと思っていたので、チームに貢献できたところはよかったと思う。チームのオフェンスは精度を高めて一個一個の動きをしっかりしていかないと。
FL 野中 翔平
自分達がやってるラグビーは絶対に間違っていない。それを勝って証明したい。全勝優勝でいきたい。(初出場について)本当に幸せなこと。選んで頂いたスタッフの人たち、受け入れてくれた先輩方などに感謝したい。
SH 中山 裕介
14点リードしていたので、チームを1度落ち着かせるよう監督から指示があった。大越の怪我でリザーブに入っているがSH誰かが怪我した時にいつでもいける準備はしている。春から継続してやっていることをしっかりと出来るように次の試合まで準備したい。
1 北川賢吾(スポ4)
2 東 大樹(スポ3)
3 才田 智(社3)
4 山田 有樹(社2)
5 森山 雄(商4)
6 土井 祐紀(社4)
⑦ 田淵 慎理(社4)
8 末永 健雄(社2)
9 岩村 昂太(スポ3)
10 渡邉 夏燦(社3)
11 宮島 裕之(スポ4)
12 木村 洋紀(法4)
13 石田 幹太(商2)
14 松井 千士(スポ2)
15 﨑口 銀二郎(経2)
16 山﨑 翔太(社1)
17 海士 広大(商2)
18 長坂 宗一郎(法4)
19 秦 啓祐(心理2)
20 野中 翔平(スポ1)
21 中山 裕介(商4)
22 髙井 勇貴(スポ1)
23 中尾 湧馬(社2)