6月29日、京田辺グラウンドにて行われた天理大戦。強豪・筑波大を練習試合で破り、前評判の高かった天理大。春シーズン最後の試合を勝ちで締めくくりたい同志社にとって、この試合は最後の山場となった。結果は12-33での敗北。天理大の堅いDFを前に展開ラグビーは息を潜めた。
雨のちらつく京田辺で開始のホイッスルを迎えた。開始2分、いきなり天理大にDFラインを突破されてしまう同志社。ターンオーバーでピンチを切り抜けるも、観客には不安の色が漂う。その不安が的中したかのように、同志社はなかなか得点を奪うことが出来ない。天理大にチャンスこそ作らせないが、しつこいDFに対し攻めきれず、ペナルティを繰り返した。敵陣でプレーできているにも関わらず、あと一歩が遠い。すると前半34分、この日3度目のチャンスが天理大に訪れる。同志社のペナルティからゴール前へと迫り、ラインアウトを獲得。そしてモールで押し込みトライ(0‐7)。決して大きくはない天理大のFWだが、モールに強さを見せた。その後同志社はFB﨑口の突破や、WTB松井のキックチャージなどでチャンスを作るも、得点に結びつけることは出来ず前半終了。ワントライのリードを許し、前半を折り返した。

怪我から復帰のCTB林

春シーズン多くの試合に出場したNO8秦
序盤で追いつきたい後半戦だったが、開始3分、いきなり天理大にトライを献上してしまう。勢いのある連続攻撃に耐えきることが出来ず、追加点を許してしまった(0-14)。一方同志社はペナルティやハンドリングミスからリズムを作れない。9分にモールでこの日初トライを奪うも(7-14)、後半19分、29分と立て続けにモールからトライを浴びる(7-26)。何とか一矢報いたい同志社。すると後半35分、相手スクラムからこぼれたボールを大越が拾い、一気にチャンスメイク。最後は大外の宮島へとボールを繋いでトライを奪う(12-26)。これで少し勢いに乗ると、試合は同志社のペースに。しかし終了間際、焦りからペナルティを取られると、DFに綻びが生まれる。相手SOに中央からの突破を許すとそのまま被トライ(12-33)。追い上げることはできずノーサイド。春最終戦は苦い結果となってしまった。

トライに繋がるチャンスメイクを見せたSH大越

春シーズン多くのトライを決めたWTB宮島
春シーズンを振り返れば、例年よりも勝ち星の多かった同志社。試合数も多かっただけに選手たちの疲労も大きかったはずだ。今年は日々厳しい練習を行う中で、試合もその中の一貫として取り組んできた。だからこそ得るものも多かったのかもしれない。春を通して体の大きくなった選手も多く見て取れた。最終戦こそ飾ることは出来なかったが、これが秋に繋がる一歩になったのは間違いない。田淵組の真価が問われるのはまだまだこれからだ。(樋向健太郎)
☆コメント
山神監督
モールはしっかり練習をしていけば止めれるなという印象。今年は試合数も多かっただけに試合に対しての気持ちの持ち方も甘くなっていたんじゃないかな。大事なところで取りきれないところもここからやり直していきたい。春シーズンはディフェンスのレベルもあがったと感じられたし、体も強くなったと感じられた。課題としては新しく行おうとしているオフェンスがもう少し具現化できないといけない。細かいプレーでも意図を持ってやることと、そこの精度も上げていかないといけない。勝てるチームにはなってきた。
PR 北川 賢吾
天理のFWは大きいという印象がなかったので軽視してしまっていた。天理はセットが早くどのプレーにおいても向こうのほうが人数が多かった。同志社は一人一人の仕事量が少なくなっていた。秋リーグは初戦で天理と当たるので頑張りたい。
HO 山﨑 翔太
まだまだ経験不足で大学のレベルについていけていない。秋シーズンではAチームに定着していきたい。チームのセットの要なので安定したラインブレーカーとしてチームに貢献していきたい。
PR 才田 智
今日の試合は素直に完敗。慶應に勝って春シーズン悪くはなかったから、天理には勝ちたかった。リーグ戦初戦は天理なのでそこで必ず勝ちたい。
LO 山田 有樹
焦りで自分たちのラグビーが出来なかった。自分たちのミスで自滅してしまった。春は上を目指して集中してやっていこうと言っていたけど、勝ちきれなかった試合が多かった。でもアタックは通用していたのでこれからも伸ばしていきたい。
LO 森山 雄
モールで負けてしまった事が大きかった。今日の試合はミスが多かったのでやっぱりそこが敗因。リーグ戦は初戦の相手なので、やられたらやり返す気持ちでそこまで頑張っていきたい。
FL 田淵 慎理
DFが良くて同志社が我慢することが出来なかった。もうちょっとやれたかなという思いはある。もっと変化をつけて攻めれたら良かった。モールに関してはこれからなので悲観はしていない。春は全体的には良かったと思っている。冬のウエイトが活きていたし、選手皆で頑張る事ができた。
NO8 秦 啓祐
同志社が攻めようとするときに自分のミスが目立ってしまった。今日は負けてしまったが、全体としてはいいシーズンだったと思う。反省点を活かし、秋に備えたい。
SH 大越 元気
展開ラグビーが出来なかった。汗やチームを活かすためのゲームコントロールができていない。反省することは多いので、夏頑張っていきたい。
SO 永富 健太郎
DFがまとまっていて打開することが出来なかった。キックでのゲインを果敢に狙っていったが、まだまだ精度は不十分。キックでエリアマネジメントできるように、キックに力を入れて練習していきたい。
WTB 宮島裕之
今回の負けも立命館戦での負けも自分たちのミスから。ミスの起こり方が春から変わっていない。6月に入って試合や練習に慣れてしまって、今は停滞期。ここで頑張らないといけない。
CTB 木村 洋紀
春前半の京産大戦くらいまではやりたいことができていたけど、近大戦以降はなかなか思うように行かなかった。ただここで簡単に勝つよりも負けて良かったとプラスに考えている。リーグ初戦に向けて、チームとしてもう一回締まらないといけないと再認識できたのは良かった。
CTB 林 真太郎
(怪我明けだったが)同じポジションの選手が活躍していたので負けないようにとパワーアップに取り組んできた。夏はウエイトに力を入れて体を大きくして、しっかりとチーム作りをしていきたい。
WTB 松井 千士
相手の圧力もあって、ミスが出て焦ってしまった。ただそこで落ち着いていこうと話し合ったあとに、一本取れたのは収穫。気持ちをリフレッシュしてまた頑張っていきたい。
FB 﨑口 銀二朗
攻めている時間が長かったにも関わらず、取り切ることができなかった。もっと工夫を重ねないと。春シーズンいい流れで勝てていただけに残念だった。
1 北川 賢吾(スポ4)
2 山﨑 翔太(社1)
3 才田 智(社3)
4 山田 有樹(社2)
5 森山 雄(商4)
6 土井 祐紀(社4)
⑦ 田淵 慎理(社4)
8 秦 啓祐(心理2)
9 大越 元気(商2)
10 永富 健太郎(スポ2)
11 宮島 裕之(スポ4)
12 木村 洋紀(法4)
13 林 真太郎(商3)
14 松井 千士(スポ2)
15 﨑口 銀二朗(経2)
16 趙 隆泰(法2)
17 安井 貴大(政策4)
18 海士 広大(商2)
19 八木 智彦(スポ4)
20 高田 将侑(法3)
21 中山 裕介(商4)
22 渡邉 夏燦(社3)
23 氏家 柊太(政策2)
24 江口 賢雄(法3)
25 岩本 大志(理工3)