5月24日、京産大グラウンドにて行われた練習試合、対京産大戦。昨年、元木由記雄氏をBKコーチに迎え、躍進を遂げたチームを相手取った。試合は同志社にとって内容の良いものではなかったが、それでも自力の差を見せつけ、45-29での勝利を収めた。
「関西のチームには圧勝」という目標を掲げ、臨んだこの試合。しかし、先にトライを奪ったのは京産大だった。前半3分、同志社ペナルティからゴール前へと迫られると、相手CTBの突破を許し、被トライ(0-5)。先制された影響からか、同志社はしばらくテンポを掴むことができない。相手SHからのハイパントキックなど、京産大の徹底した攻撃に対応しきれずペナルティを繰り返した。そんな中、突破口を切り開いたのはFB﨑口だった。8分、自陣でのBK展開から大きく抜け出しチャンスメイク。するとその勢いのままBKがボールを展開、最後はWTB氏家がインゴールへと駆け抜けた(5-5)。同点に追いついた同志社は、12分にも立て続けにトライ。FWに強さを見せる京産大に対してモールで押し込み、最後はNO8田淵がボールを運んだ(12-5)。ゴールもしっかりと決め、得点を12-5とする。この後もしばらく同志社のペースは続いた。だが個人技でゲインを切るシーンが多く見られたにも関わらず、トライにはなかなか結びつかない。多くのチャンスからワントライを奪ってみせたが、どこか噛み合わない攻撃が続いた。前半終了間際には京産大の猛攻を受け、抑えきれずにトライを浴びる(19-12)。完全に流れを引き渡してしまった同志社であったが、相手のペナルティにも助けられ、なんとか前半をリードで折り返した。

自慢の快足に加え、徐々に体の強さが増してきているWTB松井

チーム屈指の突破力でゲインを切るNO8田淵
後半が開始すると、同志社にアクシデントが襲う。後半2分にトライを奪った直後、SO垣内が膝を痛めて交代。BKの軸を失う。SOのポジションはCTBの木村が務め、木村の位置には一年生ルーキーの高井が抜擢された。交代直後の6分には京産大のモールから得点を奪われるも、ここから連続トライを奪う同志社。思い通りの試合運びが出来ず、テンポの悪い中、BK、FWを織り交ぜた理想のトライを繰り広げる。展開ラグビーで翻弄し、相手を崩すパターンから2トライを決めた(40-17)。しかし、京産大もこのままでは終わらない。22分、同志社のミスからゴール前でのスクラムを得ると、NO8、SH、WTBへと繋いでトライ。36分にもBKでの波状攻撃を仕掛け、同志社DFは受けに回ってしまう。自分たちのミスで献上した流れを止めることは出来ず、反撃のトライを浴びた(40-29)。試合終了直前、ルーキーの高井がワントライを返すも、同志社としては出来の悪いゲームとなってしまった。スコアは45-29。納得の勝利とはいかなかった。

この日トライを決めたLO山田

怪我の垣内に代わり途中からキッカーを務めたFB﨑口
どうしても歯車の噛み合わなかったこの試合。日頃から厳しい練習を課される選手たちには疲労の色も見えた。そんな中でも勝利を譲ることは無かった同志社。決して良いとは言えない試合内容だったが、力を伸ばす京産大から得た勝利は、確実に選手たちの自信になっていくはずだ。この試合にはFL中村や、一年生の高井、倉本など新顔も登場した。関西屈指のチームは古豪復活のその時に向け、厚みを増し、更なる力を蓄えていく。(樋向健太郎)
☆コメント
山神監督
今日は疲れもあったせいか出来は悪かった。ただボールを動かせてトライをとれたシーンなんかはやってきたことが出ているし、モールについてもあまり対策をやってきていなかったので、そこはそんなに脅威ではない。きついのはわかっていたが、頑張りきれなかったところは残念だったかな。
PR 海士 広大
ディフェンスが受身になっていた。終始相手のテンポだった。アタックは攻めたら上手くいけた。相手のペースを崩せたらもっと押せたはず。
HO 安井 貴大
トライを取りきれないことが多く、自分たちのミスで相手を助けてしまったことが多かった。全体的にツメが甘かった。ただ今季から始めたシステムが少し形になってきていると思う。
PR 才田 智
キックオフ直後から相手に流れを持って行かれて、自分たちのミスも多くなった。ただ時間が経つにつれて、少しずつ狙いだったFWであてて外のBKにボールを回すことができて良くなっていった。 でも修正力がまだまだ。
LO 山田 有樹
試合全体として良くなかった。ペナルティが多く、リズムを掴むことができなかった。関西に勝つだけではダメ。(次の慶應戦では)自分たちの実力を確かめたい。
LO 戎 勇
FWで前に出られてしまった。ペナルティ多く、受けてしまっていた。個人的にはフィットネスが足りていなかったと感じているので、練習からアピールしていきたい。
FL 土井 祐紀
後手後手にまわってしまっていた。練習中からの集中力が試合に出てしまっている。試合を意識した練習をしていきたい。ゲインを切れても寄りの遅さが際立っていた。
FL 中村 大樹
(A初出場について)緊張したし、全然思った通りにプレーできなくてまだまだだなと感じた。これからもっと頑張っていきたい。
NO8 田淵 慎理
全体的にペナルティが多かった。京産大のやりたい形にはまってしまった。ペナルティを取られないようにと、DFも受身になってしまった。展開ラグビーが関西で通用することは分かったが、まだまだ修正力が足りない。慶應戦では入りに気をつけたい。
SO 垣内 悠輔
前半の入りが悪く、中盤でのペナルティが多かった。キックも上手く使われてトライされるシーンも目立った。中盤でのDFも上手くいかなくて、二枚目の動きも悪かったと思う。相手のテンポを遅らせて、ペナルティせずに前に出れたらもっと楽に勝てたと思う。噛み合わないというか、自滅してしまったような試合だった。
WTB 氏家 柊太
攻撃参加がまだまだ不十分だったし、タックルも上手く入れなかった。でも寄りのスピードが分かってきたのは収穫だった。個人で突っ込んでくるところを対処できれば京産大には勝てると感じた。
CTB 木村 洋紀
ボールキャリアの悪さが目立ち、球出しが遅くなってしまっていた。欲しいタイミングでボールを出すことができず、ライン際で仕掛けたくてもそこまでいくことができなかった。トライの取り方は良かったが、そこまでが良くなかった。
CTB 石田 幹太
最初にミスが続き、落ち着いてやろうと声を掛け合うことができた。徐々に自分たちのペースにすることができたので、そこは良かったと思う。個人的にも満足はしていない。ボールをもらって自分からチャンスを作っていきたい。
WTB 松井 千士
前後半ともに立ち上がりが良くなかった。個人的にも良くなかったので、次はチームに貢献できるように練習していきたい。BKが前に出てFWを助けていきたい。
FB 﨑口 銀二朗
京産大はすごく体を張ってきたが、そんなに怖いと感じることはなかった。ミスなく試合を進めたいと思って試合に臨んで、そんなに大きなミスもなかったので良かった。
R 北川 賢吾
怪我明けの復帰戦で、試合に出たのが半年ぶりだった。怪我の具合も心配ない。ただ練習不足で体力が戻ってないので、80分戦える体力を戻したい。京産大はコンタクトが強かったが、同志社にもこだわりがあるので負けるわけにはいかない。
R 倉本 吏哉
(A初出場について)自分の個の力がまだまだ足りなかった。後半に出て、あれだけ走れなかったらダメ。タックルも外されていたので、しっかり踏み込みのところを意識してきたい。
R 髙井 勇貴
(A初出場について)体格の差を感じた。勝負負けするところがあったので、肉体改造を頑張りたい。スキルの面ではやれると感じるところもあったので、先輩方とコミュニケーションをとってやっていきたい。初トライはもちろん嬉しかったが、他の部分でも活躍できるように頑張りたい。
1 海士 広大(商2)
2 安井 貴大(政策4)
3 才田 智(社3)
4 山田 有樹(社2)
5 戎 勇(社2)
6 土井 祐紀(社4)
7 中村 大樹(法3)
⑧ 田淵 慎理(社4)
9 大越 元気(商2)
10 垣内 悠輔(商4)
11 氏家 柊太(政策2)
12 木村 洋紀(法4)
13 石田 幹太(商2)
14 松井 千士(スポ2)
15 﨑口 銀二朗(経2)
16 北川 賢吾(スポ4)
17 永田 亮(法2)
18 趙 隆泰(法2)
19 吉田 祥治(経2)
20 和田 英純(経3)
21 倉本 吏哉(商1)
22 三木 章太郎(商2)
23 髙井 勇貴(スポ1)
24 江口 賢雄(法3)
25 井上 尚馬(政策2)
26 岩本 大志(理工3)