5月11日、京田辺グラウンドにて行われた大体大との練習試合。昨年の関西Aリーグ・リーグ戦で引き分けた相手との一戦だ。体の強さに定評のある大体大に対して、同志社はFW、BKともに圧倒。55-10での勝利を収めた。
夏の到来を感じさせる快晴の中、大体大との一戦は幕を開ける。立教との定期戦を圧勝で終え、勢いに乗る同志社は序盤から大きく大体大を突き放した。
試合開始早々から同志社がゲームを制圧する。開始4分、敵ゴール前での大体大のペナルティからチャンスを得ると、SH岩村が素早くパスアウト。SO垣内が相手ディフェンスをすり抜けて先制のトライを奪った(5-0)。2分後にもキックオフからフェーズを重ね、相手陣内深くへと攻め込む。BKが上手く相手ディフェンスをずらし、人的有利を作ると、WTB宮島が激走のトライを決める(12-0)。そこからモールで2本のトライを奪い、同志社FWは体で負けていないことをしっかりと証明(24-0)。大体大のモールも前進を許さなかった。26分にもFL田淵のナイスディフェンスから相手ペナルティを誘い、ゴール前ラインアウトのチャンスを得る。SO垣内からCTBの内に切れ込むWTB松井へとボールを繋ぎ、大きくゲイン。最後はCTB木村へオフロードパスを決め、インゴールへとボールを運んだ(31-0)。しかしここから少しミスの目立ち始める同志社。徐々にチャンスを作られる。34分には、大体大FWの連続攻撃から、最後は大外へとボールを振られ、被トライ(31-5)。その後SO垣内のキックパスからワントライを返すも、これで前半を折り返した(36-5)。

安定したプレーを見せる土井

しっかりフォローに走り、トライを決めたCTB木村

安定したキックに加え、トライでもチームに貢献するSO垣内
ここまで三戦を終え、後半の入りを課題としていた同志社。この試合は一転、後半開始からいい流れを見せる。開始2分、HO安井が敵陣で大きくゲイン。相手ディフェンスラインを崩すと、SO垣内が大きく外へと飛ばしFB﨑口がトライを決める。11分には垣内からのキックパスをWTB宮島がインゴール内でキャッチしてトライ。20分にも自陣ゴール前からカウンターを見せると、BKが一気に敵陣へと駆け上がる。最後はフォローに走っていた﨑口が2トライ目を奪った(55-5)。この勢いのままさらに攻め立てたい同志社であったが、終盤から試合は膠着。互いにチャンスメイクするも、なかなか得点には結びつかない。このまま試合は終わるかと思われたが、30分、大体大が意地を見せる。同志社のペナルティからチャンスを作ると、得意のFW戦に持ち込み、同志社インゴールへとねじ込んだ。試合は55-10で終了のホイッスルを迎える。2トライこそ奪われたが、同じAリーグの相手に同志社の力を見せつけた。

前戦に加え、大活躍のWTB宮島

モールでもトライを決めた同志社
「試合は練習の一つ。しんどいことをしながら取り組めている」(山神監督)。日々厳しい練習、ウエイトを行う中で、試合もその過程の一つと捉えている。自分たちに負担を課し、その中で勝利を追い求める。次戦も同じくAリーグの京産大。昨季力を伸ばしてきた相手に対し、どんな試合を展開するのか。力でねじ伏せる同志社に期待が集まる。(樋向健太郎)
☆コメント
山神監督
まずしっかり勝とうということを目標にしていた。試合については前回の反省点も修正出来ていたいし、モールなどの新しいチャレンジもできたので悪くはなかった。ただ疲労した時のオプションについては考える必要があると感じた。単調になってしまったかな。イメージ通りにチームは来ているので、こっからさらに実力を上げていきたい。
PR 趙 隆泰
トライ取られたのは自分のせい。スクラムで負けてしまった。次の試合に向けて、スクラムを強くしてチームに迷惑をかけないようにしたい。
HO 安井 貴大
フィジカルの強い大体大に体をあてて行けたことは自信に繋がった。ただ後半、FWの足が止まってしまい、取りきれない時間帯が続いた。集中力とプレーの精度を伸ばしていきたい。個人的にはラインアウトでのミスが反省点。
PR 才田 智
大体大戦はFW戦になると思っていたが、前後半通して同志社の展開ラグビーができた。それで相手を翻弄できて、向こうの運動量が落ちて、足を止めることができた。ただ大体大に勝って満足するのではなく、関東に勝つことを目的にやっている。そこだけはぶれないようにしたい。
LO 山田 有樹
チーム全体としてラストワンパスでのミスで多く、もったいなかった。大体大はFWのチームだったので、展開すると負けないことはわかっていた。でもその展開ラグビーについていくための体力やフィジカルを鍛えていかないといけない。
FL 土井 祐紀
前回の試合で後半の入りが課題として出ていたが、今日は良かったと思う。ただ大体大の強い当たりを結構受けてしまっていた。もっと同志社らしいラグビーをしないといけない。
FL 田淵 慎理
去年引き分けた相手だったのでまずは勝とうと思っていた。DFは試合通じてよくなってきているし、相手の体の強さも怖くはなかった。前半の入りも後半の入りも良かったが、後半中盤あたりから暑さもあってバテてしまい、システムをやりきれなかったのは反省。でもFWでトライを取れたことは大きかった。
NO8 末永 健雄
今日は全然ダメだった。コンディションが悪かったわけではないがボールタッチが少なかった。一番の課題はコミュニケーションが取れなかったこと。もっと呼び込んでいきたい。
SH 岩村 昂太
前半終了間際は暑さでだいぶ疲れていた。それで一つ一つのプレーで精度が落ちて、ペナルティが増えた。大体大のフィジカルに関しては、冬からどこよりもきつい筋トレをしてきたから、力負けもしなかった。
SO 垣内 悠輔
ずっと敵陣で戦うことを意識してきた。大体大のチームの特徴が大きいFWでモールなどを使ってくるタイプなので、適した方法を取ることができた。ここまで、やってきたこと成果として出ている。しんどいことをしてきている分、自信はあるからつらいときでも皆で踏ん張れるようにしたい。
WTB 宮島 裕之
今日の試合は同志社ペースで進められた。FWに当てて外に展開するという感じで得点できた。ボールがしっかり動いたという点では、試合ごとに良くなって来ている。自分がトライを取れているのも、外にボールが回って来ているのが要因だと思う。
CTB 木村 洋紀
タックルから積極的にボールに絡んで相手の球出しを遅らせたり、大体大に対し接点で互角以上に戦えたり、努力の成果が出た試合だった。ただ暑い日ではあったが、正直もっと点差は欲しかった。普段は夜の練習だけど、意識を変えて練習することが必要。
CTB 石田 幹太
他のメンバーが結構ゲインをきっていたので、自分ももっとボールに絡みたかった。自分が突破して、味方を活かしたい。チームに流れを呼び込める選手になりたい。
WTB 松井 千士
FWが粘り強く戦ってくれた。今回は点差をあけての勝利。前回は同点だったので、形になって表れた収穫だった。でもランで抜かれるシーンが多く、今後の修正すべき点だと思う。
FB 﨑口 銀二朗
前半からいい流れを作ることができていた。ただ後半は足が止まってペナルティも増えてしまった。個人的には、抜けたWTBからもっとボールがもらえれば良かった。次はもっともらえるようにしたい。
1 趙 隆泰(法2)
2 安井 貴大(政策4)
3 才田 智(社3)
4 山田 有樹(社2)
5 八木 智彦(スポ4)
6 土井 祐紀(社4)
⑦ 田淵 慎理(社4)
8 末永 健雄(社2)
9 岩村 昂太(スポ3)
10 垣内 悠輔(商4)
11 宮島 裕之(スポ4)
12 木村 洋紀(法4)
13 石田 幹太(商2)
14 松井 千士(スポ2)
15 﨑口 銀二朗(商2)
16 東 大樹(スポ3)
17 海士 広大(商2)
18 秦 啓祐(心理2)
19 戎 勇(社2)
20 柴田 悠司(スポ4)
21 大越 元気(商2)
22 渡邉 夏燦(社3)
23 高桑 一真(経2)
24 吉澤 奨悟(商3)
25 井上 尚馬(政策2)
26 小林 健太郎(経2)